このモデルはガスハンドガンとしてはやや特異な部類に入るのですが、ある意味サバゲーへ性能全振りともいえるその性能に惹きつけられ、是非ともハンドガン戦に使ってみたいと思い入手してきました。
パッケージを外すと運搬にも使えるケースが出てきて・・・
このように中にはガスガン本体の他、オプションがセットで詰まっています。
中身はSOCOM Mk2本体、マガジン、サプレッサー、ライトアタッチメント・モジュール、クリーニングキットや説明書、おまけのBB弾が入っています。
ケースを見た時点で質感が安っぽいなと感じましたが、SOCOM Mk2本体やライトアタッチメント・モジュールも安っぽさが凄く、エアコキハンドガンのほうがまだましだと思うほど質感は酷いです。
良くも悪くも標準的な仕上がりで出してくる東京マルイの中でも酷く、今まで手にしたエアガンで比較してもワーストレベルです。
ライトアタッチメント・モジュールにおいてはおまけ要素でしかなく、ライトは1WのLED程度の明るさで、暗闇で何とか足元を照らせる程度の光度しかないため、フラッシュライトのような性能を期待してはいけません。
売価から考えるとかなりコストを削って作っているのでしょうが、そもそも飾るためのエアガンとして選択するのであれば、決して選択してはいけないモデルです。
このモデルはサバゲー性能全振りともいえる性能になっているため、サバゲーに使ってこそ真価を発揮することができるモデルになっています。
その性能の1つが固定スライドガスガンという仕様です。
固定スライドガスガン(固定ガスガン)とはフィクスドスライドガスガン(フィクスドガスガン)とも言われることがありますが、文字通りスライドが固定して動かないガスガンを指します。
正確には、発射時にスライドが動かないだけで完全に固定されている訳ではないのですが、GBBと比較して分かりやすいように固定スライドガスガンと呼ばれています。
GBBのように撃つ度にスライドが後退しないため、撃った感触は面白味に欠けるのですが、スライドが生み出す反動であるリコイルショックが無いため、連射しても銃がぶれにくく、スライドの動作音がしないというメリットがあります。
さらに、スライドの後退にガスを消費する必要がないため、ガスの燃費がGBBとは比べものにならないほど良いうというメリットもあります。
実際に計測してみたところ、1チャージで11マガジン分と6発(314発)を撃つことができ(最後の15発は飛距離が次第に落ちていった)、燃費が桁違いに良いのが分かります。
※1マガジン撃ちきった後、マガジン表面温度を23度に回復させて再度撃つというサイクルで計測
※ガスの満充填量は21g
この効果は初速の安定性にも繋がり、ガスの消費が少ない=ガスの放熱が少なくマガジンが冷えにくい=充填したがガスの温度変化が少ない=安定した圧力のガスが供給できるという図式が成り立ち、結果、安定した初速をもたらしています。
80.39m/s(最高初速)
78.04 m/s
77.31 m/s(最低初速)
79.16 m/s
77.92 m/s
77.59 m/s
77.83 m/s
78.12 m/s
77.91 m/s
77.78 m/s
平均初速78.20m/s
初速振幅3.08m/s
※0.2gBB弾にて計測
※初速は室温24.2度マガジン表面温度23.2度の環境で計測
燃費の確認時にマガジンの冷え具合も確認してみたのですが、1マガジン撃ちきったときのマガジンの冷えが約1度程度と少なく、マガジンの温度回復もGBBとは比べものにならないほど早いため、BB弾を給弾している間にマガジンの温度が回復してしまうほどです。
※室温24.2度の環境にて
そして、2つ目のサバゲー向けとも言える性能がサプレッサーとの相性です。
固定スライドガスガンは発射にしかガスを使いませんが、そのガスは全て銃口から抜け出ていきます。そのため、サプレッサーを取付けると絶大な消音効果を発揮します。
付属のサプレッサーを付けた際はSMG並の長さになるため、取り回しは落ちてしまいますが、サプレッサーには消音材が入っているため発砲時の消音効果は絶大で、位置を特定されやすくなる高音域を見事にカットします。
その際の独特の発砲音は、いかにもサプレッサーを付けて撃っていますという感じがしてたまりません。
これら、2つの性能については固定ガスガンでは特に珍しいことではありませんが、東京マルイの持つ高い命中精度が加わることでハンドガン戦における驚異に変わります。
弾道は電動ガン並といって良いほど綺麗な弾道を描きますし、初速はガスハンドガンの中でも高く、スタンダード電動ガンクラスの初速を持っているため、ハンドガンでありながら飛距離は45m以上もあります。
それでいて、GBBのように発射時にスライドの稼働音もしないため、撃たれた相手はどこから撃たれたか分からず混乱することに・・・。
・・・と、良いことずくめのように思いますが、少し問題点もあり、ダブルアクション故のトリガープルの重さ、そして、実銃の設計から来る問題が命中精度に問題をもたらしています。
特に問題となるのはトリガープルの重さです。
固定ガスガンは、マガジンからBB弾をチャンバーへと給弾するメカの動力をトリガーを引く力から得ています。
従って、常にダブルアクションになるため、ハンマーが落ちた状態のガスリボルバーやダブルアクションGBB(Px4等)を撃つ際と同じように(実際はもっと重い)、重たいトリガーを引くことになります。
当然、重たいトリガーを一気に引くためガクビキになり、撃つ度に銃口はブレてしまいます。
これでは、折角の命中精度も台無しですが、対策としてスライドを引くことでトリガーが軽くなる機能がついています。
※ホールドオープン機能はありません
※ホールドオープン機能はありません
これは、スライドを後退させることでマガジンからチャンバーへとBB弾が送られ、同時にハンマーも起きるため、本来トリガーから得ていた動力で動かす必要なくなるためです。
ただし、効果は1発のみなので、続けて効果を期待するのであれば、エアコキハンドガンと同じように、発射前に毎回スライドを引くという動作が必要になります。
また、サップレッサーを長物エアガンのハンドガードのように握ってブレを抑える方法もある他、レイルにグリップを取付けてブレを抑制するという、やや強引な方法もあります。
(中にはカービンキットに詰め込んで簡易狙撃仕様にするユーザーも)
ただ、困ったことに、東京マルイの固定スライドガスガン SOCOM Mk23のレイル規格は独自規格で、そのままだと20mmレイルのオプションを取付けることができません。
サードパーティーからレイルアダプターが発売されているため、これらのパーツを介して始めて20mmレイルのオプションが取付けられます。
また、サプレッサーのネジも独自規格のため、こちらも汎用の14mmネジを備えたサプレッサーを使う際はサードパーティー製のアダプターが必要になります。
とはいえ、サプレッサーの性能は純正でも相当なものなので、無理してまで手に入れる必要はないでしょう。
もう1つの問題点は握りにくいグリップです。これは実銃の段階で既に大きすぎという評価が出ていますが、大柄な西洋人ですら大きすぎると評価しているので相当なレベルです。(諸々あって実銃は仕様だけ見ると良いが現場では使えない銃扱いに・・・)
同じ45口径でダブルカラムタイプのマガジンを使用するモデルよりも大きく、50口径のデザートイーグルにも匹敵する大きさで、ともかく握りにくいという印象しかありません。
写真はとても握りやすい東京マルイのGLOCK17 GBBですが、比較してみると改めてその大きさを感じます。
写真はとても握りやすい東京マルイのGLOCK17 GBBですが、比較してみると改めてその大きさを感じます。
しかし、実銃では不評だった重さは受け継がれておらず非常に軽くなっています。
本体の重量はマガジン込みで780g、マガジン抜きで422g、空マガジンが354g、サプレッサーが92g、ライトアタッチメント・モジュール(電池込)が113g、すべて装備した際の重量は985gと実銃の約1.5kgと比較するとずいぶんと軽くなっています。
※秤の精度に多少誤差あり
本体の軽さがチープ感を感じさせる要因の一つにはなっているものの、サバゲーでは軽さは有利に働きます。
他にも実銃から受け継がれなかったものとしてはセーフティーの仕様もあります。
実銃では、マズル側からスライドストップ、デコッキングレバー(ハンマーを落とす機能)、サムセーフティーとなっていますが、東京マルイの固定スライドガスガン SOCOM Mk23ではスライドストップはトリガーセーフティーに、デコッキングレバーはダミー、サムセーフティーはそのまま(ハンマーが起きている時のみ使用可能)と独自の仕様に変更されています。
なお、マガジンリリースボタンは MP7のようにトリガーガードの下に備え付けられていますが、こちらはそのままマガジンリリースボタンとして機能しますが、あまり採用されていない構造なので少し慣れが必要です。
なお、マガジンリリースボタンは MP7のようにトリガーガードの下に備え付けられていますが、こちらはそのままマガジンリリースボタンとして機能しますが、あまり採用されていない構造なので少し慣れが必要です。
マガジンについては装弾数が28発、リップからBBローダーでスムーズに給弾することができますし、マガジンフォロワーを底まで押し下げて、最下部のスリットからBB弾を挿入することも可能です。
ホップアップの調整はスライドを外して調整する必要があります。
スライドの外し方については、ガバメント系と同じくスライドを後退させた状態でスライドストップを引き抜くことで外れます。
スライドを外すとホップアップの調整ダイヤルが見えます。
GBBと違い、スライドを後退させるピストンがないため構造は違いますが、電動ハンドガンガンほどの違いはありません。
GBBがメンテナンスできれば固定ガスガンも問題無くメンテナンスできるでしょう。
なお、サバゲーでは完全にいらない子扱いとなるライトアタッチメント・モジュールについては、トリガーガード手間にパドルタイプのスイッチが来るようになっており、銃を構えた際に人差し指でライトのON/OFFができるようになっています。
これとは別にメインのスイッチが下部に付いており、使わないときはこちらのスイッチでOFFにしておけば誤動作を防げる仕組みです。
電源は単4電池3本で、カバーを外すと出てくるホルダーへ収納するようになっています。
正直なところ、ライトアタッチメント・モジュールは完全におまけ扱いなので、ケースも省いた本体とサプレッサーだけの廉価版バリエーションがあっても良いのではと思います。
まとめ
今となっては珍しい固定ガスガン、大きなサイズ等若干癖があるモデルですが、サバゲー性能全振りともいえる性能は素晴らしく、ハンドガン戦で有利に戦える要素がこれでもかと入っています。
質感に関しては褒める場所がないというほどチープなので、飾る目的であればKSC等のモデルを選択すべきです。間違いなくこれより所有する満足感は高いと断言できます。
これは、サバゲーで有利に戦いたいというユーザーのためのモデルであり、SOCOM好きの人向けというよりは、電動ガンのようなサバゲーのツールを求めているユーザー向けに最適化されていると感じます。












































コメント
コメント一覧 (1)
この銃ならではの仕様が一つ書かれていないと思い、コメントします。
それは、「ダブルアクションでトリガーを引くと、ハンマーコックポジションを維持できる」というものです。
通常のDAでは、引き切らないとハンマーはダウンしますが、この銃は、指先アクションでハンマーをコッキングできます。
慣れてくると、シングルアクションと変わりない精度で撃つことができます。