イーグルフォース オートカットディスチャージャー(Ni-MH用)


Ni-MHバッテリーは残量があるのに継ぎ足して充填するとメモリー効果により使用できる容量が減ってきます。

そのため、メモリー効果を発生させないために使用後に放電したのち充電する他、メモリー効果が発生した際は何度か充放電を繰り返して活性化させるのですが、使用していた放電器の放電能力が小さく時間がかかるうえ、オートカット制御が怪しいこともあって新しく放電器を導入してみました。

パッケージ


用意した放電器は「イーグル模型 オートカットディスチャージャー(Ni-MH用)」です。

イーグル模型はラジコン用のアフターパーツを取り扱っているメーカーですが、ラジコンも電動ガンもバッテリーは同じ物を扱っているので流用が効きます。

基本的にラジコン業界はバッテリーの性能が勝敗を大きく左右する要素のため、バッテリー関連の性能追求はエアガン業界より進んでおり、技術的に高い物を拝借することができます。

本体

これがイーグル模型 オートカットディスチャージャー(Ni-MH用)の本体です。

アルミ製ヒートシンク付

外装はアルミ製でヒートシンクが付いています。放電器は抵抗により放電するため熱を発生しますが、アルミの熱伝導能力の高さとヒートシンクにより効率よく排熱できる構造です。

上部

上部にはセル数の設定ダイヤル、残量表示とオートカット動作のLEDインジケーター、放電を開始するスタートボタンが用意されています。

ラージコネクター

バッテリーのコネクターはラージコネクターです(ラジコン業界ではタミヤ型7.2Vコネクターと呼称)。そのままだとミニコネクターは取付けられないので、ラージバッテリー以外で使う場合には別途変換コネクターがー必要です。

放電器

手持ちのコスモエナジー(ライラクスからOEMで販売されているのも同じ)の放電器と一緒に並べてみました。

イーグル模型 オートカットディスチャージャー(Ni-MH用)のサイズはやや大きめですが、4セルから10セルまで対応しているので、右の二つの放電器(真ん中が8.4~12V対応(7セル~10セル)、右が7.2~8.4V (6セル~7セル)対応)の能力を兼ねています。

各種Ni-MHバッテリーに対応

スタンダードなMini-Sバッテリーはもちろん、ラージバッテリーや9.6V以上のセルが多いバッテリーにも対応します。

ラージ-ミニ変換コネクター

ラージ-ミニ変換コネクターを用意すれば、このようにミニコネクターのバッテリーにも使えます。

残量インジケーター

あくまでも目安なので残量の計測には不向きですが、バッテリーに接続して放電を開始するとバッテリーの残量をインジケーターが示してくれます。

8セルAKバッテリー

放電は、接続したバッテリーのセル数に併せて設定ダイヤルを調整した後、スタートボタンを押すことで放電が始まります。

Ni-MHは1セルの公称電圧が1.2Vなので、バッテリーに書いてあるV数を1.2で割った数値がセル数になります。
※8.4VのマルイのMini-Sバッテリー・AKバッテリー・SOPMODバッテリーは7セル

本体はとても熱くなる

放電時は電気を熱エネルギーに変換して放出するため本体はとても熱くなります。非接触温度計で計測してみたところ80度近くもあり、うかつに触ることができません。

ある程度放電したところ

放電していくと残量のLEDが次第に空に近づいていき・・・


オートカット動作

一定の電圧まで低下するとCUTUPが点灯しカチッと音がしてオートカットが働き放電を止めます(オートカットはセル数×1Vの設定)。

使用後の放電に使用すべきと説明書に書いてあるので推奨する使い方では無いのですが、新品のバッテリーを購入した際の活性化(充放電3回繰返し)や、継ぎ足し充電をしてメモリー効果が出てきたと感じるときはこの放電器を使用しています。
※発熱が凄いので冷却しないと放電器が傷む可能性有り

戦犯

なお、冒頭でオートカット制御が怪しいと言及していたコスモエナジーの放電器ですが、LEDが消灯してオートカットされた際の放電(放電終止電圧)が1セル0.8Vと完全に過放電のためバッテリーが痛みやすい仕様になっています(7.2~8.4V対応モデルにて8.4Vバッテリーを放電した場合)。

こうなったらセルは当然傷みますし、最悪転極が発生してバッテリーが使い物にならなくなる可能性も出てくるため困りものです。

放電が終わったらコネクターを外して直ぐに充電しているにもかかわらず、充電が異常に長かったり、充電後半月で急激に電圧が低下するバッテリーが複数出てきたこともあり、今では使用を止めています。

コスモエナジーの放電器をニッケル水素バッテリーで使うのであれば、テスターで電圧を確認しながら使わないと、知らないうちにバッテリーを傷める可能性があります(1セル1Vを目安にどうぞ)。

※コスモエナジーのメーカーページはニッカド・ニッケル水素両対応と表記してありますが、過去に販売していた全く見た目が同じニッカド対応の放電器をそのままニッケル水素も対応と言っているだけのような気がします。ニッカドの放電終止電圧は1セル0.8Vまでいけるという話もあるため、ニッケル水素で使用すると過放電するのもこれなら納得できます。なお、同モデルを販売しているライラクスのものは7.2~8.4V対応モデルはバッテリーの種類に対して言及していないが、8.4~12V対応モデル対応モデルは何故かニッカド用と言及しています。同じ物のはずなのに・・・何故?。

できる放電器

イーグル模型 オートカットディスチャージャー(Ni-MH用)はコスモエナジーの放電器と比べて3倍の価格差がありますが、放電能力は約3倍あるため放電時間も短くて済み(コスモエナジーの7.2~8.4V対応モデルは実測350mAh)、オートカットが1セル1Vでしっかりと働くことも検証済みなので、安心して放電を任せることができます。