PDI Wホールドチャンバーパッキン

最近は中華製エアガンの性能も向上しており、中には箱出しで使える性能を持っているものもちらほら出てき始めているようです。

しかし、箱出しで使えるといっても命中精度、特に集弾性能については東京マルイの電動ガンに肩を並べる事などはできず、良くて国内メーカーが販売する長物GBB程度にとどまっています。

前回購入したARES KAC STONER LMGも例に漏れず、30mから40m先のばらけ具合が酷いため、集弾性を向上させるためPDI Wホールドチャンバーパッキンを組み込んでみる事にしました。

パッケージ


PDI Wホールドチャンバーパッキンはマルイ互換のチャンバーパッキン(ホップアップパッキン)です。
※VSR用と間違えないように。 

盛り上がっている箇所

外部には盛り上がっている箇所が2箇所ありますが、この箇所がチャンバーに密着することで気密漏れを防ぎ、初速の低下を抑制するようになっています。

中華製のエアガンはチャンバーのクリアランスが大きいものがあり、その手のものはマルイのチャンバーパッキンに交換すると気密が抜けて初速が一気に低下しますが、この症状を防止するのに役立ちます。

ホップアップ構造がW状

Wホールドチャンバーパッキンは名前のとおり、弾に回転をかけるホップアップ構造がW状になっているのが特徴です。

これにより、抵抗の少ない中央部分にBB弾が保持され、BB弾にかかる回転が一定の状態を維持しやすくなり、結果、集弾性が向上するというものです。

ただ、この効果はチャンバー設計などの外的要因にも左右されるため、組み込んだ結果は多少なりとも改善したという意見から、劇的に改善したという意見まで様々あります。

マルイの純正と比較

個人的には、マルイのエアガンは純正のチャンバーパッキンで十分だと思っています。Wホールドチャンバーパッキンはどちらかというと中華製のエアガン向けでしょう。

組込に関してはインナーバレルを取り外さないといけませんが、ARES KAC STONER LMGはバレルチェンジギミックが組み込まれているため、アウターバレルはロックを解除するだけで取り外せます。

このネジを外すだけ

インナーバレルに至っては、ネジ1本外せば抜けるという非常にメンテナンスしやすい構造なので、10分もあれば交換作業は終わります。

チャンバーをインナーバレルから外したら、純正のチャンバーパッキンを取り外し・・・。

シリコングリスを塗る

インナーバレルのチャンバー側にシリコングリス(シリコンオイルではない)を厚塗りします。これは気密性を高めるため、液体パッキンとしての効果を期待してのものです。

呉工業のシリコングリースメイト ペースト

使用したシリコングリスは呉工業のシリコングリースメイト ペーストです。

チャンバーパッキン取付け

シリコングリスを塗ったらWホールドチャンバーパッキンを挿入して、パッキンの上に薄くシリコングリスを塗ったらチャンバーに戻します。

左右均等にパッキンが飛び出ている

ホップアップを調整してパッキンが正常に機能するか確認します。しっかりと真上に、左右均等にパッキンが飛び出るように位置を調整したら元に戻していきます。

気密漏れ

パッキンの気密具合を確認するため初速を計測してみましたが・・・。なんと気密漏れを起こしていました。
※マルイの純正パッキンでも同じような結果になった。

交換前は約92m/sでしたが、気密漏れにより10m/s近くも初速が低下しています。

これは落ちすぎということで、Wホールドチャンバーパッキンを外し、インナーバレルのホップ窓手前にシールテープを2周巻き付けてからWホールドチャンバーパッキンを組み込む事で気密漏れを防止しておきました。

対処後

これで交換前と殆ど変わらない初速になりました。
※マルイの純正パッキンに交換する場合にも使える方法

ロングレンジで集弾性を確認をしてみたところ、良くなるどころか交換前よりも若干悪化してしまいました。原因は、ARES KAC STONER LMGのホップレバーにありました。

ホップレバー

元より、Wホールド効果を狙ったホップレバーになっており、押しゴムを使わない構造もあってか、Wホールドチャンバーパッキンと組み合わせると、ホールド部分が想定以上に開いてBB弾の保持が甘くなり、保持する箇所が毎回まばらに・・・。結果、BB弾の回転が一定にならず弾がばらけるようです。

これでは意味が無いので、均等に圧力が掛かるようにホップレバーを加工します。ちょうど、マルイ純正のチャンバーパッキンに付属している押しゴムがあったので、これが入るようにホップレバーを加工してみました。

ホップレバー加工

アルミとはいえ、押しゴム分の高さを削るため、思っていたよりも削り取る必要があり、電動工具がないと時間が掛かっていたことでしょう。

この後、押しゴムを入れて組み込んでみたのですが、東京マルイレベルまではいかないものの、見て分かるほど弾のばらけ具合が改善されました。

ターゲットペーパーによる検証はしていませんが、2~3割程度集弾性が向上したように思います。

まだまだ改善の予定はありそうですが、ばらまきプレイ専用のLMGですし、実際にサバゲーに投入してヒットを取れる性能を持っているのを実感したので、ARES KAC STONER LMGの命中精度改良についてはこれで終了です。