ハイキャパ5.1シリーズはエアガンのシューティングマッチに使うレースガンとして有名ですが、その完成度はサバゲーでも活かすことができるのか?今回は、レースガンのベースとして語られることが多いハイキャパ5.1ゴールドマッチをサバゲーユーザー目線でレビューしていきます。
ハイキャパ5.1ゴールドマッチは、元々エアガンのシューティングマッチに使用するレースガンを作る際のベースとして名高いハイキャパ5.1のカスタムバリエーションの1つという位置づけになります。
ハイキャパ5.1は黒ベースのおとなしい外観なのですが、ハイキャパ5.1ゴールドマッチはこれでもかとゴールドのアクセントが派手に主張しています。
アウターバレル、トリガー、ハンマー、セーフティーの生み出すブラック&ゴールドのマッチは、大人しい雰囲気の中に何かを感じさせるものがありますが・・・
よくよく見るとアウターバレルにパーティングラインが出ています。
よくよく見るとアウターバレルにパーティングラインが出ています。
また、アウターバレルについてはプラ製のため、社外製の金属アウターバレルと比べると質感はどうしても劣って見えてしまいますし、トリガーの造形も甘く折角の雰囲気が台無しです。
メーカーの写真では重量感のある雰囲気が出ていましたが、実際に手に取ってみると思っていたほどの質感ではないことに、少し残念な気持ちになってしまいました。
本当は飾っておこうと思って購入したのですが、もし、飾っておくために購入するのであれば、ハイキャパ5.1をカスタムパーツてんこ盛りにしたほうが納得いくものができるはずです。
ハイキャパ5.1ゴールドマッチではハイキャパ5.1から、ユーザーが不満としてあげていた箇所を含めいくつか改善がされており、スライドは動作性を重視して大胆なガスポートによる軽量化が施されています。
スライドの重量を計測してみたところ205gとGBBハンドガンにしては重めですが、ハイキャパ5.1より軽量で、ブローバックする部分だけにして計測すると88gと軽くなっています。
※スライドとシリンダーユニットのみの重量
この軽量スライドがGBBの動作安定性を向上させるだけでなく、キレのあるシャープなリコイルショックを楽しむことができます。
トリガーを引く度に、シャキッとしたスライドの動きとリコイルショックが手に伝わってき、かつレースガンらしくリコイルコントロールに優れているので、バランスの取れたリコイルショックといえます。
また、レースガンとして使う場合は練習により発射回数が多めになることもあり、スライドノッチ削れ対策としてメタルノッチ・スペーサーを採用し、スライドの耐久性を向上させています。
※この改良のため、ハイキャパ5.1ゴールドマッチのスライドはハイキャパ5.1に流用できない。逆は可能。
このように、改良が盛り込まれたスライドはGBB動作性能や耐久性の向上には一役買っていますが、衝撃への耐性は落ちてしまい、サバゲーで使用した際に1回の落下でスライドが破損してしまいました。
各パーツが出っ張っていることも有り、落下時のダメージは大きくなりがちです。
このように、改良が盛り込まれたスライドはGBB動作性能や耐久性の向上には一役買っていますが、衝撃への耐性は落ちてしまい、サバゲーで使用した際に1回の落下でスライドが破損してしまいました。
各パーツが出っ張っていることも有り、落下時のダメージは大きくなりがちです。
樹脂製のため耐久性に難があるように感じますが、適度な明かりがある環境では非常に視認性が良く、特に晴天の屋外では集光アクリルサイトの能力が遺憾なく発揮されるため、耐久性よりも性能に振った設計思想ではないかと感じるところです。
ハイキャパ5.1ゴールドマッチはフレームにダグラスカットタイプのシャーシを採用しており、従来のハイキャパ5.1とは違いフレームとアンダーレールが一体化しています。
アンダーレール部分は金属製のため剛性はしっかりしており、フラッシュライトやサイトマウントを安定して取付けられるようになっています。
他にもレースガンらしく、片手でアクセスできるサムセーフティ、ロングスライドストップが操作性を向上させており、スムーズなマグチェンジが期待できます。
グリップは角張っており、ホールドした際に若干太い印象を受けますが、グリップセーフティについては違和感なく、グリップした際に自然に解除状態になります。
グリップ太さはハイキャパの名のとおり、ダブルカラムマガジンを採用しているためですが、ダブルカラムマガジンはシングルカラムマガジンと比べ弾数が多いだけでなく、ガスの気化スペースも大きく取れるため安定したGBBの動作に繋がっています。
※装弾数は31発
シビアなシューターはガス圧の変化を嫌いエアタンクを使っているようですが、20度の環境においてはガスでも十分に初速が安定しているため、サバゲーやプリンキングに使うにはガスで十分といったところです。
トリガーフィーリングについては、短めのストロークでやや重たいものの素直なトリガーフィーリングです。遊び領域でもトリガーにテンションが掛かっているためカッチリ感が印象に残ります。
トリガーの引きしろは調整できませんが、テンションのおかげでトリガーが戻った際もカッチリ感があり、再度トリガーが引ける位置に戻ると、カチッとした感触がトリガーから伝わるのでタップ射撃を繰り返す際のミスが減ります。
ハンドガンでサバゲーとなると、必然的にインドア戦かCQBフィールドで最前線に出ることになりますが、緊張する最前線や激しいテンポの中でも、シューティングマッチ向けのパーツや構造がスムーズで安定した射撃を手助けしてくれることでしょう。
ホップアップについてはスライドを外して調整する必要があります。調整用のダイヤルはここです。
重量はダグラスカットタイプのシャーシが金属製のためか853gとズッシリしています。
マガジンを除いた本体は541gと重たく、マガジン側に重心が傾きすぎないようにマズル側に重心が傾けてあるので、マガジンを装着した際の前後重量バランスは良く、マズルの震えを抑えるズッシリとした安定感があります。
ガスを入れてプリンキングをしてみたところ、なかなかガスが無くならないのに驚きました。
1回のガス充填量は約22g。マガジン表面温度23度の条件で1マガジン撃ち切った後、再度マガジンを23度まで温め直して再び1マガジン撃つという繰り返しで計測したところ、4マガジンと15発撃つことができました。
ガス1チャージの発射数もさることながらマガジンの熱量もあるため、GBBハンドガンの中では冷えに強いように感じます。
初速は70m/s台前半で、ワンマガジン全弾計測してみましたが、初弾と最終弾の初速の差は約4m/sと初速の安定性もあります。
※気温20度の屋外で計測。マガジン表面温度は23度。
命中精度については安心の東京マルイ。しかも、シューティングマッチ向けということもあり、毎回安定した弾道で直線を描くため、狙ったところに気持ちよく飛んでいきます。
20m先の15cmディスクは3発中1発命中させるほど精度が良く。10m先のターゲットペーパーでは7割がターゲットリング内に着弾する結果になりました。
まとめ
マッチカスタムの後継ということもあり、シューティングマッチを意識したパーツと性能、そしていかにもカスタムしていますという派手な外観が見せつけてくれます。
好みがハッキリと分かれる外観、かつレースガンとしては中途半端、かといって飾るは質感不足という思っていた物と違うという結果になってしまいました。
しかし、手放すにはもったいないスペックを持っているのは確か・・・。ということで、サバゲーのサイドアームとして朽ちるまで活用していこうと思います。
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