今回はガスガンの外部ソース化シリーズ第2弾ということで、エアータンクについて掘り下げていきます。
●エアータンクのメリット、デメリット
外部ソースの王道といえばやっぱりエアータンクだと私は思っているのですが、現在このエアータンクを発売しているのはプロテックのみで、容量もガスボンベの空き缶を使うため容量が少なく、SMG等の長物ガスブローバックには不向きです。
そこで、現在に外部ソース最盛期に使用されていたものと同じ、ニッケンのM4シャーマンタンクのようなエアータンクを復活させようということで、今回は3.5Lのエアータンクを自作してみました。
と、その前に外部ソースとしてのエアータンクにはどのようなメリットとデメリットがあるのか、おさらいです。
エアータンクのメリット
ランニングコストが安い
CO2ガス(炭酸ガス)のように使い切ったら新しいボンベを買う必要もありません、エアーの充填に使うのは電気です。
持ち運びながら使うことができる
エアーコンプレッサーのと違い、持ち運びながら運用することが前提のため、軽くて扱いやすくなっています。
コンパクトでも大容量(エアーコンプレッサーと比較した場合)
エアータンクはエアーコンプレッサーと違い、タンクの最大使用圧力が約1Mpaと高い設定の物が多く、同じ容量でも圧力が高い分エアーが詰まっているいるため、より多くのBB弾を発射することができます。
※3.5Lのエアータンクに約0.98Mpaエアーを詰めた場合、6LのCP-100よりも25%多くものBB弾を多く発射でききます。
外部ソースOKのフィールドで使える
初速の問題さえクリアしていれば、外部ソースOKのフィールドで使うことができます。もちろん自作しても、ほとんど問題とならないでしょう。
冬でも安定した動作
寒い時期にガスを使うと冷えて動作が鈍くなったり、生ガスを吹いて使えなくなったりと不便ですが、エアータンクは圧縮空気を使うため、冬の寒い時期でも快適に動作します。
エアータンクのデメリット
初期コストが高い
エアータンクを運用するにはエアータンク本体の他、ガスガン用に使えるようにするために取り付けるコネクタやレギュレーター、エアーを充填するためのタイヤの空気れと、それを駆動させる12Vバッテリーと充電器と必要な物が多いため初期コストが高く、今回シングルタンクの作製にかかった費用は約2万5千円とかなり高額になりました。
大きさの割にスタミナは少ない(電動ガンと比較した場合)
電動ガンのようにコンパクトで大容量の発射能力に対しエアータンクは勝てません。エアータンクの圧力が落ちてスタミナが切れたらゲームの途中で充填できるわけもなく、そこで終了です。
外部ソースとしてはシステムが大きくなりがち
エアータンクの大きさ故に背負って運用すると身動きが取りにくくなります。ボンベをレギュレーターに取り付けるだけのCO2ガス(炭酸ガス)外部ソースシステムと比較すると、かなり大がかりになってしまいます。
外部ソースは嫌われがち
かのサバイバルゲーム極悪ハイパワー時代に活躍していたのがエアータンクです。そのため今でもハイパワーなイメージが付きまとい、外部ソースを嫌っている人がいるのも事実です。また、フィールドでの使用許可を出しているところは少ないという現状もあります。
以上がエアータンクのメリット、デメリットです。リコイル大好きガスブローバック派の人間でしたら、デメリットはずばり、初期コストが高いことでしょう。
それではエアータンクの自作について紹介していきましょう。
●自作エアータンクの作製
自作するといってもパーツを組み合わせる自作パソコンのような感覚で作るので必要な物さえ集めればさほど苦労せずに作ることができます。
※これより、一部の画像はクリックすると取扱店へ飛びます。
まずは、エアータンクの材料となるタンクですが、便利なことに過去にガスガン用のエアータンクを作製していたニッケン等から、ヤンキホーン用のエアータンクが発売されています(というか、そちらのほうが本業です)。
今回エアータンクの材料として採用したのはキタハラ エアータンク3.5L A921で、容量は3.5Lで最大使用圧力は10kg/cm2(約0.98Mpa)となっています。
このタンク容量で最大の10kg/cm2(約0.98Mpa)まで充填した場合、CP-100比で25%増しの能力があり。マルゼン ニューイングラムM11(50連ロングマガジン使用)でスタミナテストをしたところ、CP-100の6マガジンよりも多い、7.5マガジン撃つことができました。
これでも足りないという人にはさらに大容量のニッケン5Lエアータンク
ロングタイプのジェットイノウエ エアータンク 5.8リットル 505923 500×125mmφ
さらに大容量の【エアータンク 6.3リットル】などが使えます。
逆に小さい物が欲しいという場合には【エアータンク 2.2リットル】もあります。
これらエアータンクをベースに、不要なコネクタを取り外し、ガスガンに使うためのパーツを取り付けていきます。
まずは不要なパーツを取り外していきます。圧力計は再利用しますが、このままだとパーツの取り付け時に干渉するので、最後に再びタンクに取り付けます。
外す時に気をつけないとレンチがタンクと接触し、簡単に塗装が剥がれてしまいます。対策として肉厚の薄いレンチをお勧めします。
タンクの穴は1/8Rc(PTメネジ)となっています。これはヤンキーホーン用エアータンクで共通のようです。
それではまず、ガスガンへエアーを送る経路のパーツを組み上げていきます。
今回もレギュレーターには近畿製作所のRG-905Nを採用しました。最大圧力が0.5Mpa(実際は0.54Mpa出る)と低圧なので、ガスガンの初速が規制値を超えにくくなります。
しかしRG-905Nはエアーの供給側コネクタが1/4R(PT)なので、そのままだとエアータンクに取り付けることができません。
そこで1/8Rc(PT)を1/4Rc(PT)に変換する継ぎ手を使いエアータンクに取り付けます。
※写真はFLOBAL VMF-0201
さらにRG-905Nの吐出側となる1/4G(PF)蝶ネジの箇所には、1/4R(PT)ネジの6mmチューブフィッターを使用し、6mmのホースが取り付けられるようにします。
※写真はPISCO PSC6-02M
これらのパーツをネジ部にシールをした上で締め込み、エアータンクに取り付けます。
これでガスガンへエアーを吐出するコネクタが完成しました。
次にエアータンクへエアーを供給する経路をつくります。
使うのはハイカプラーの10SMです。この10SMはハイカプラーのメスと1/8R(PT)オネジとなっているので、そのままエアータンクに接続することができます。
最後に取り外しておいた圧力計を再び取り付けます。この際注意しないといけないのがシールは再利用しないことです。最初に巻かれていたシールは外して新しく巻き直したうえで取り付けてください。
これでエアータンク側のパーツは全て取り付けることができました。
次はこのエアータンクからガスガンへとエアーを送るためのホースを取り付けます。
使用するのは6mmのウレタンホースです。太く取り回しは悪いですが、エアーの流量が多く、燃費の悪い長物ブローバックやPV式ガスガンでも安定して動作します。
このままだとガスガンには取り付けることができないので、プロテックのバルブとワンタッチで取り付けることができる、マイクロカプラーMC-06SCを使用しますが・・・
その前にこのPISCO GPU6-6を使用します。これは小型の圧力計で、ホースの間に挟むことでレギュレーターから出てきた2次圧力(吐出圧力)を計測することができます。
この先に短くカットしたホースを取り付け、マイクロカプラーMC-06SCに差込めばエアーをガスガンへ供給するホースは完成です。
このように、PISCO GPU6-6がマガジンの近くに来るように配置することで、2次圧力を手元で確認することができるようにし、残圧がレギュレーターの設定値を下回った場合、手元ですぐに認識することができるようにしています。
しかし、これで完成ではありません。エアータンクにエアーを供給することを考えなければいけません。
そこで、ハイカプラーの先に取り付けるエアー供給用のコネクタを作ります。
材料はハイカプラー10SMに接続するためのハイカプラー20PM。
ハイカプラー20PMを取り付ける1/4Rc(PTメネジ)と1/8Rc(PTメネジ)の異径ソケット。
※写真は藤原産業SK11中間異型ソケットAT-33
そして、その反対側の1/8Rc(PTメネジ)の箇所に取り付けるのは、エアータンクから外した米式バルブです。
これらを組み合わせて米式バルブを使った空気入れ用のコネクタを作ります。
そして、空気を入れるのに使うのがこのジャンプスターターです。
ジャンプスターターとは本来、自動車のバッテリーがあがり、エンジンが始動しないときに使用する補助ツールで、内部に12Vバッテリーが入っています。所謂、持ち運べる電源です。
そして、ものにもよりますが機能の1つとして自動車のタイヤに空気を入れるためのエアコンプレッサーが装備されている物があります。
自動車のタイヤに使われているのが、エアータンクに最初からついていた米式バルブです。そのため、先ほど組み合わせて作ったコネクタに差込んで固定することができます。
これでエアータンクにエアーを充填することができますが、困ったことにおまけ的機能のためコンプレッサー機能が壊れることがあります。
その場合はシガーソケットやバッテリーから電気を供給して動く12V仕様のタイヤの空気入れを使用することができます。
※写真は大自工業 F-15
幸いほとんどのジャンプスターターにはシガーソケットがありますし、バッテリーに挟むワニクリップタイプでも、ジャンプスターターのワニクリップ部分に取り付ければ使うことができます。
今回使用したのは大自工業のF-15ですが、動画中でも途中から苦しそうな音に変わり、充填速度も落ちてきています。無理をしているのは確かなようで、実際壊れやすいとのことなのでいつまで使えるかは分かりません。
最終的に5分間も充填にかかったのですが、早く充填したい場合はもっと性能の良いものを使うといいでしょう。
お勧めなのはEMERSON ボルケーノ ハイパワーコンプレッサー EM-106
です。プロテックも一時期販売していましたし、Amazonのレビューを見る限り評価の高い商品のようです。
最後に、通常のCP-100等のDIY用エアーコンプレッサーでも使えるように、もう1つコネクタを作ります。
用意したのはハイカプラー10SMに接続するためのハイカプラー20PM。
ハイカプラー20PMを取り付ける1/4Rc(PTメネジ)と1/4Rc(PTメネジ)の同径ソケット。
※写真はGREENCROSS 同径 中間ソケット 1/4RC(PT)×1/4RC(PT) C-82T
そしてASOH エースボールエアーツール用(1/4)BO1200です。
これらを組み合わせて、ハイカプラーからエアーを供給するコネクタを組み上げます。
エアー配管の規則としては、メス-オスの順番に取り付けるのが基本なのですが、それに従うとエアータンクがオスになり、そのままだとコネクタを抜いた瞬間にエアーが全て抜けてしまいます。
そのため、エアータンクはバルブが搭載されている10SMを取り付けたわけです。
しかし、そのままだとコネクタの形状がメス-メスとなり接続できないため、今回のオス-オスのハイカプラーコネクタを作ったのですが、先ほど書いたとおりオスはバルブ機能がないので、バルブ機能を取り付けるためASOH エースボールエアーツール用(1/4)BO1200を取り付けています。
これがないと、エアーコンプレッサー側かエアータンク側、先に抜いた側とは反対側の配管から盛大にエアーが吹き出します。
これで汎用的なDIY用エアーコンプレッサーからエアーを供給することができます。しかし、汎用的なDIY用エアーコンプレッサーはヤンキーホーン用エアータンクの最大仕様圧力である10Kg/cm2(約0.98Mpa)ほどの高圧を出すことができないので、エアータンクの能力を最大限まで活かすことができません。
しかし、この使い方はエアータンク単体で使用する意外にも、エアーコンプレッサーのタンク容量を追加するといった、増設タンクとしても活用ができます。
CP-100のような小型のエアーコンプレッサーではタンク容量が少し物足りないと思うのであれば、便利な使用方法になるでしょう。
私の場合はCP-100をマイクロカプラーにしてしまったため、事前にエアタンクから直接エアーを取れるように、ハイカプラーを追加で取り付けておきました。
これで、6Lプラス3.5Lの合計9.5Lのエアータンク容量となります。また、ガスガンへの供給口が2つあるので2丁同時に射撃することも可能です。
前回は別にしていたスタミナテストも今回は同時にテストしています。できあがった自作エアータンクを自動車タイヤ用の空気入れで最大仕様圧力の10Kg/cm2(約0.98Mpa)まで充填し、マルゼン ニューイングラムM11 CQB(50連ロングマガジン使用)で発射テストをしました。
結果は驚くべきことに、CP-100の6マガジンを超える7マガジンと半分(BB弾にして約370発)でした。
タンク容量は3.5LとCP-100の約半分なのですが、充填できるエアーの量が多いため、6Lのタンクを持つCP-100を超えることができたようです。
6.3Lタンクを使えば約2倍、そしてダブルタンク仕様にすればさらに2倍と、サイズは火炎放射器並の大きさにはなりますが、1300発以上の発射能力があるエアータンクを作ることも夢ではありません。
今後の予定として、ダブルタンク仕様へと進化させていこうと思っていますので、次回をご期待下さい。
●作製パーツ一覧
それでは今回エアータンクを作製するために使用したパーツ一覧です。
※クリックで購入先へ飛びます
楽天市場
キタハラ エアータンク3.5L A921
近畿製作所 RG-905N
PISCO PSC6-02M
PISCO GPU6-6
FLOBAL VMF-0201
(Amazon取り扱いのGREENCROSS 異径 中間ニップルソケット 1/4RC(PT)×1/8R(PT) C-92T
も仕様は同じ)
藤原産業SK11中間異型ソケットAT-33
(Amazon取り扱いのGREENCROSS 異径 中間ソケット 1/8RC(PT)×1/4RC(PT) C-84T
も仕様は同じ)
Amazon
マイクロカプラーMC-06SC
ハイカプラー10SM
ハイカプラー20PM
シールテープ
ポリウレタンチューブ TUSC-0406
ジャンプスターター(エアコンプレッサー搭載)
大自工業 F-15
(もっと早くエアーを充填するならEMERSON ボルケーノ ハイパワーコンプレッサー EM-106
)
汎用エアコンプレッサー用に繋げるコネクタとホース(Amazon)
ハイカプラー20PM
GREENCROSS 同径 中間ソケット 1/4RC(PT)×1/4RC(PT) C-82T
ASOH エースボールエアーツール用(1/4)BO1200
エア工具用エアホース
作製してみたいいけどココが分からないなど、不明な点はコメントで気軽に質問してみてください。
外部ソースの王道といえばやっぱりエアータンクだと私は思っているのですが、現在このエアータンクを発売しているのはプロテックのみで、容量もガスボンベの空き缶を使うため容量が少なく、SMG等の長物ガスブローバックには不向きです。
そこで、現在に外部ソース最盛期に使用されていたものと同じ、ニッケンのM4シャーマンタンクのようなエアータンクを復活させようということで、今回は3.5Lのエアータンクを自作してみました。
と、その前に外部ソースとしてのエアータンクにはどのようなメリットとデメリットがあるのか、おさらいです。
エアータンクのメリット
ランニングコストが安い
CO2ガス(炭酸ガス)のように使い切ったら新しいボンベを買う必要もありません、エアーの充填に使うのは電気です。
持ち運びながら使うことができる
エアーコンプレッサーのと違い、持ち運びながら運用することが前提のため、軽くて扱いやすくなっています。
コンパクトでも大容量(エアーコンプレッサーと比較した場合)
エアータンクはエアーコンプレッサーと違い、タンクの最大使用圧力が約1Mpaと高い設定の物が多く、同じ容量でも圧力が高い分エアーが詰まっているいるため、より多くのBB弾を発射することができます。
※3.5Lのエアータンクに約0.98Mpaエアーを詰めた場合、6LのCP-100よりも25%多くものBB弾を多く発射でききます。
外部ソースOKのフィールドで使える
初速の問題さえクリアしていれば、外部ソースOKのフィールドで使うことができます。もちろん自作しても、ほとんど問題とならないでしょう。
冬でも安定した動作
寒い時期にガスを使うと冷えて動作が鈍くなったり、生ガスを吹いて使えなくなったりと不便ですが、エアータンクは圧縮空気を使うため、冬の寒い時期でも快適に動作します。
エアータンクのデメリット
初期コストが高い
エアータンクを運用するにはエアータンク本体の他、ガスガン用に使えるようにするために取り付けるコネクタやレギュレーター、エアーを充填するためのタイヤの空気れと、それを駆動させる12Vバッテリーと充電器と必要な物が多いため初期コストが高く、今回シングルタンクの作製にかかった費用は約2万5千円とかなり高額になりました。
大きさの割にスタミナは少ない(電動ガンと比較した場合)
電動ガンのようにコンパクトで大容量の発射能力に対しエアータンクは勝てません。エアータンクの圧力が落ちてスタミナが切れたらゲームの途中で充填できるわけもなく、そこで終了です。
外部ソースとしてはシステムが大きくなりがち
エアータンクの大きさ故に背負って運用すると身動きが取りにくくなります。ボンベをレギュレーターに取り付けるだけのCO2ガス(炭酸ガス)外部ソースシステムと比較すると、かなり大がかりになってしまいます。
外部ソースは嫌われがち
かのサバイバルゲーム極悪ハイパワー時代に活躍していたのがエアータンクです。そのため今でもハイパワーなイメージが付きまとい、外部ソースを嫌っている人がいるのも事実です。また、フィールドでの使用許可を出しているところは少ないという現状もあります。
以上がエアータンクのメリット、デメリットです。リコイル大好きガスブローバック派の人間でしたら、デメリットはずばり、初期コストが高いことでしょう。
それではエアータンクの自作について紹介していきましょう。
●自作エアータンクの作製
自作するといってもパーツを組み合わせる自作パソコンのような感覚で作るので必要な物さえ集めればさほど苦労せずに作ることができます。
※これより、一部の画像はクリックすると取扱店へ飛びます。
まずは、エアータンクの材料となるタンクですが、便利なことに過去にガスガン用のエアータンクを作製していたニッケン等から、ヤンキホーン用のエアータンクが発売されています(というか、そちらのほうが本業です)。
今回エアータンクの材料として採用したのはキタハラ エアータンク3.5L A921で、容量は3.5Lで最大使用圧力は10kg/cm2(約0.98Mpa)となっています。
このタンク容量で最大の10kg/cm2(約0.98Mpa)まで充填した場合、CP-100比で25%増しの能力があり。マルゼン ニューイングラムM11(50連ロングマガジン使用)でスタミナテストをしたところ、CP-100の6マガジンよりも多い、7.5マガジン撃つことができました。
これでも足りないという人にはさらに大容量のニッケン5Lエアータンク
ロングタイプのジェットイノウエ エアータンク 5.8リットル 505923 500×125mmφ
さらに大容量の【エアータンク 6.3リットル】などが使えます。
逆に小さい物が欲しいという場合には【エアータンク 2.2リットル】もあります。
これらエアータンクをベースに、不要なコネクタを取り外し、ガスガンに使うためのパーツを取り付けていきます。
まずは不要なパーツを取り外していきます。圧力計は再利用しますが、このままだとパーツの取り付け時に干渉するので、最後に再びタンクに取り付けます。
外す時に気をつけないとレンチがタンクと接触し、簡単に塗装が剥がれてしまいます。対策として肉厚の薄いレンチをお勧めします。
タンクの穴は1/8Rc(PTメネジ)となっています。これはヤンキーホーン用エアータンクで共通のようです。
それではまず、ガスガンへエアーを送る経路のパーツを組み上げていきます。
今回もレギュレーターには近畿製作所のRG-905Nを採用しました。最大圧力が0.5Mpa(実際は0.54Mpa出る)と低圧なので、ガスガンの初速が規制値を超えにくくなります。
しかしRG-905Nはエアーの供給側コネクタが1/4R(PT)なので、そのままだとエアータンクに取り付けることができません。
そこで1/8Rc(PT)を1/4Rc(PT)に変換する継ぎ手を使いエアータンクに取り付けます。
※写真はFLOBAL VMF-0201
さらにRG-905Nの吐出側となる1/4G(PF)蝶ネジの箇所には、1/4R(PT)ネジの6mmチューブフィッターを使用し、6mmのホースが取り付けられるようにします。
※写真はPISCO PSC6-02M
これらのパーツをネジ部にシールをした上で締め込み、エアータンクに取り付けます。
これでガスガンへエアーを吐出するコネクタが完成しました。
次にエアータンクへエアーを供給する経路をつくります。
使うのはハイカプラーの10SMです。この10SMはハイカプラーのメスと1/8R(PT)オネジとなっているので、そのままエアータンクに接続することができます。
最後に取り外しておいた圧力計を再び取り付けます。この際注意しないといけないのがシールは再利用しないことです。最初に巻かれていたシールは外して新しく巻き直したうえで取り付けてください。
これでエアータンク側のパーツは全て取り付けることができました。
次はこのエアータンクからガスガンへとエアーを送るためのホースを取り付けます。
使用するのは6mmのウレタンホースです。太く取り回しは悪いですが、エアーの流量が多く、燃費の悪い長物ブローバックやPV式ガスガンでも安定して動作します。
このままだとガスガンには取り付けることができないので、プロテックのバルブとワンタッチで取り付けることができる、マイクロカプラーMC-06SCを使用しますが・・・
その前にこのPISCO GPU6-6を使用します。これは小型の圧力計で、ホースの間に挟むことでレギュレーターから出てきた2次圧力(吐出圧力)を計測することができます。
この先に短くカットしたホースを取り付け、マイクロカプラーMC-06SCに差込めばエアーをガスガンへ供給するホースは完成です。
このように、PISCO GPU6-6がマガジンの近くに来るように配置することで、2次圧力を手元で確認することができるようにし、残圧がレギュレーターの設定値を下回った場合、手元ですぐに認識することができるようにしています。
しかし、これで完成ではありません。エアータンクにエアーを供給することを考えなければいけません。
そこで、ハイカプラーの先に取り付けるエアー供給用のコネクタを作ります。
材料はハイカプラー10SMに接続するためのハイカプラー20PM。
ハイカプラー20PMを取り付ける1/4Rc(PTメネジ)と1/8Rc(PTメネジ)の異径ソケット。
※写真は藤原産業SK11中間異型ソケットAT-33
そして、その反対側の1/8Rc(PTメネジ)の箇所に取り付けるのは、エアータンクから外した米式バルブです。
これらを組み合わせて米式バルブを使った空気入れ用のコネクタを作ります。
そして、空気を入れるのに使うのがこのジャンプスターターです。
ジャンプスターターとは本来、自動車のバッテリーがあがり、エンジンが始動しないときに使用する補助ツールで、内部に12Vバッテリーが入っています。所謂、持ち運べる電源です。
そして、ものにもよりますが機能の1つとして自動車のタイヤに空気を入れるためのエアコンプレッサーが装備されている物があります。
自動車のタイヤに使われているのが、エアータンクに最初からついていた米式バルブです。そのため、先ほど組み合わせて作ったコネクタに差込んで固定することができます。
これでエアータンクにエアーを充填することができますが、困ったことにおまけ的機能のためコンプレッサー機能が壊れることがあります。
その場合はシガーソケットやバッテリーから電気を供給して動く12V仕様のタイヤの空気入れを使用することができます。
※写真は大自工業 F-15
幸いほとんどのジャンプスターターにはシガーソケットがありますし、バッテリーに挟むワニクリップタイプでも、ジャンプスターターのワニクリップ部分に取り付ければ使うことができます。
今回使用したのは大自工業のF-15ですが、動画中でも途中から苦しそうな音に変わり、充填速度も落ちてきています。無理をしているのは確かなようで、実際壊れやすいとのことなのでいつまで使えるかは分かりません。
最終的に5分間も充填にかかったのですが、早く充填したい場合はもっと性能の良いものを使うといいでしょう。
EMERSON(エマーソン) ボルケーノ ハイパワーコンプレッサー EM-106
お勧めなのはEMERSON ボルケーノ ハイパワーコンプレッサー EM-106
最後に、通常のCP-100等のDIY用エアーコンプレッサーでも使えるように、もう1つコネクタを作ります。
用意したのはハイカプラー10SMに接続するためのハイカプラー20PM。
ハイカプラー20PMを取り付ける1/4Rc(PTメネジ)と1/4Rc(PTメネジ)の同径ソケット。
※写真はGREENCROSS 同径 中間ソケット 1/4RC(PT)×1/4RC(PT) C-82T
そしてASOH エースボールエアーツール用(1/4)BO1200です。
これらを組み合わせて、ハイカプラーからエアーを供給するコネクタを組み上げます。
エアー配管の規則としては、メス-オスの順番に取り付けるのが基本なのですが、それに従うとエアータンクがオスになり、そのままだとコネクタを抜いた瞬間にエアーが全て抜けてしまいます。
そのため、エアータンクはバルブが搭載されている10SMを取り付けたわけです。
しかし、そのままだとコネクタの形状がメス-メスとなり接続できないため、今回のオス-オスのハイカプラーコネクタを作ったのですが、先ほど書いたとおりオスはバルブ機能がないので、バルブ機能を取り付けるためASOH エースボールエアーツール用(1/4)BO1200を取り付けています。
これがないと、エアーコンプレッサー側かエアータンク側、先に抜いた側とは反対側の配管から盛大にエアーが吹き出します。
これで汎用的なDIY用エアーコンプレッサーからエアーを供給することができます。しかし、汎用的なDIY用エアーコンプレッサーはヤンキーホーン用エアータンクの最大仕様圧力である10Kg/cm2(約0.98Mpa)ほどの高圧を出すことができないので、エアータンクの能力を最大限まで活かすことができません。
しかし、この使い方はエアータンク単体で使用する意外にも、エアーコンプレッサーのタンク容量を追加するといった、増設タンクとしても活用ができます。
CP-100のような小型のエアーコンプレッサーではタンク容量が少し物足りないと思うのであれば、便利な使用方法になるでしょう。
私の場合はCP-100をマイクロカプラーにしてしまったため、事前にエアタンクから直接エアーを取れるように、ハイカプラーを追加で取り付けておきました。
これで、6Lプラス3.5Lの合計9.5Lのエアータンク容量となります。また、ガスガンへの供給口が2つあるので2丁同時に射撃することも可能です。
前回は別にしていたスタミナテストも今回は同時にテストしています。できあがった自作エアータンクを自動車タイヤ用の空気入れで最大仕様圧力の10Kg/cm2(約0.98Mpa)まで充填し、マルゼン ニューイングラムM11 CQB(50連ロングマガジン使用)で発射テストをしました。
結果は驚くべきことに、CP-100の6マガジンを超える7マガジンと半分(BB弾にして約370発)でした。
タンク容量は3.5LとCP-100の約半分なのですが、充填できるエアーの量が多いため、6Lのタンクを持つCP-100を超えることができたようです。
6.3Lタンクを使えば約2倍、そしてダブルタンク仕様にすればさらに2倍と、サイズは火炎放射器並の大きさにはなりますが、1300発以上の発射能力があるエアータンクを作ることも夢ではありません。
今後の予定として、ダブルタンク仕様へと進化させていこうと思っていますので、次回をご期待下さい。
●作製パーツ一覧
それでは今回エアータンクを作製するために使用したパーツ一覧です。
※クリックで購入先へ飛びます
楽天市場
キタハラ エアータンク3.5L A921
近畿製作所 RG-905N
PISCO PSC6-02M
PISCO GPU6-6
FLOBAL VMF-0201
(Amazon取り扱いのGREENCROSS 異径 中間ニップルソケット 1/4RC(PT)×1/8R(PT) C-92T
藤原産業SK11中間異型ソケットAT-33
(Amazon取り扱いのGREENCROSS 異径 中間ソケット 1/8RC(PT)×1/4RC(PT) C-84T
Amazon
マイクロカプラーMC-06SC
ハイカプラー10SM
ハイカプラー20PM
シールテープ
ポリウレタンチューブ TUSC-0406
ジャンプスターター(エアコンプレッサー搭載)
大自工業 F-15
(もっと早くエアーを充填するならEMERSON ボルケーノ ハイパワーコンプレッサー EM-106
汎用エアコンプレッサー用に繋げるコネクタとホース(Amazon)
ハイカプラー20PM
GREENCROSS 同径 中間ソケット 1/4RC(PT)×1/4RC(PT) C-82T
ASOH エースボールエアーツール用(1/4)BO1200
エア工具用エアホース
作製してみたいいけどココが分からないなど、不明な点はコメントで気軽に質問してみてください。
コメント
コメント一覧 (34)
そこで質問なのですがエアコンプレッサーの代わりに1000kPa対応のこの様な空気入れで代用できますかね? http://www.monotaro.com/g/00272694/
また、その場合コネクターはブログ内の他に買うものはありますか?
教えて頂けると幸いです。
コンプレッサーの代わりに空入れを使うことは可能ですよ。ただし、自動車に対応した物で最高圧力がタンクの最高圧力同等か超える物でないといけません。
リンク先の空気入れはその条件を満たしているので大丈夫ですよ。コネクタについては追加で必要になる物はありませんので安心して下さい。
5.8lで作ってみようと思います!
それと、お節介かもしれませんが、5.8Lタンクだとエアーを送るのに時間がかかると思いますので小さなタンクに変えるか、作った後でエアーを送るのに耐えられないようでしたらエアコンプレッサーの導入を検討してみて下さい。
とても助かります!
筋トレがてらと思ってるので多分大丈夫です!
最後の購入部品のまとめでflobal vmf0201のリンクが圧力計になってますが合ってたらすみません。
それでは作製頑張って下さいね。
耐圧8kgのエアータンクはフルオートを使うに当たって充分に使える圧力でしょうか?
ガスブローバックエンジンが動作するかは2次圧力(タンクから出るときの圧力)により決定します。
経験からすると、2次圧力が0.5Mpa(約5kgf/cm2)あればほぼ全てのガスガンが快適に動作します。これ以上だと初速が危ない領域に入りやすくなるだけでなくガスガンの寿命も縮まるので無闇に上げてはいけません。
また、どれだけ弾が撃てるかについてはタンク内の圧力と容量により決まります。
参考に、まだ公開していませんが、0.8Mpa(約8kgf/cm2)のタンク圧力で7Lの外部ソースを作製したのですが、2次圧力0.5Mpa設定でマルゼンのニューイングラムM11を使い50連マガジンを7マガジンほど撃つことができました。中華製のガスガンだと燃費が悪いので6割ぐらいですね。
もしよろしければ、タンクの型番を教えてもらえればもっと詳しく話ができると思います。
コスト面が厳しいのでやっぱりシャーマンm4を中古購入しようと思っています。たしかコネクターを8mmホースコネクターから6mmホースコネクターに交換しなきゃ使えないみたいですね?
問題は固定レギュレーターですね。シャーマンM4タンクには固定レギュレーター仕様の物がありますが、調べてみると固定レギュレーターは0.35Mpaという低い設定圧になっているようです。
この圧力だとSMG含む長物のガスブローバックだと動かない物が出てくると思います。
その場合は固定レギュレーターを取っ払い可変式のものに付け替えれば大丈夫です。
あと、ホースは古い物だとボロボロになって圧をかけたとたんに破裂することもありますので、触って固くなっているようでしたら交換したほうがいいと思います。
レギュレーターの話は初めて知りました!!大変参考になりましたありがとうございます!
ただし、圧がかかっている際は抜けない構造なので、タンクに残圧がある状態で抜いて他のガスガンに切替える場合はホースの途中にMC-06SCとMC-06PCを組み合わせると使いやすくなります。
為になる情報をいろいろありがとうございます!
落札致しましたのでわからないことがあったらまた質問させて頂きます。
気になることがあったら気軽に質問してくださいね。
m11に付属していた球は一旦詰まって発射されているようです。
これは固定レギュレーターのせいである可能性が高いですよね?
だとしたらBV式ガスガンだと思われるので、レギュレーターから出てくるエアの圧力が低く流量が不足しているのが原因かもしれません。
この場合、レギュレーター交換で対応可能ですが、BV式ガスガンは圧力さえ上げればいくらでも初速が伸びる構造なので、初速が規制値を超えるようだったら要対策です。
違法にならないようにスピードガンみたいな物をかいます。
黒い筒状の固定レギュレーターをRG-905Nに交換しようと思います。
BV式ガスガンはブローバックしませんので注意してください。
BB弾がバルブ(栓)の役目をするので、一見詰まっているような動きで実は正常ということもありますのでhttp://www.youtube.com/watch?v=bwuBTYZiK2QのようにBB弾を発射していれば正常です。
ただ、レギュレーターを交換すれば長物ガスブローバックでも使えるようになるので、将来性を考えると交換しておいた方がいいかもしれませんね。
通常のリキットチャージ式ガスガンのマガジンを外部ソースに対応させるためには、
マガジンのガス注入バルブを外部ソースに対応したプラグに交換する必要があります。
大抵はプロテックからで出ているコネクティブプラグを使います。
一部のマガジンではマグバンパーなどが干渉するため削ったり、穴を開ける必要が
ありますが、それでもダメな場合はケイホビーやフリーダムアートのプラグで解決
することもあります。
なお、マルゼンのVZ61GBBなら、無改造でプロテックのプラグが取付けられます。
記事中の小型タンクの場合にはドレンバルブが付いていないので、エアーを入れた状態でタンクを逆さまにして、ホースを付けていないカプラーを差込んでエアーと共に水を排出させています。
タンクに充填する際に、ガソリンスタンドや車の工場にあるエアーコンプレッサー?での充填は大丈夫なのでしょうか?
タンクへのエアー充填ですが、車のタイヤと同じバルブ形状のパーツがあるので、それをタンクに取付ければ充填できますよ。この記事で使用しているタンクはそのパーツが付いていますが、無い場合はPT-91等のパーツを流用するとで同じことができます。
なお、整備工場やガソリンスタンドで供給されているエアー圧によっては満充填にはできない場合がありますが、その場合は他のコンプレッサーを検討してみるといいかもしれません。
スティールチャレンジ用にエアータンクの製作しようと思います。
あと近畿製作所のRG905とRG905Nの2つが検索するとあるんですがなにか違いがあるんでしょうか?
なお、スティールチャレンジの場合、レギュレーションで外部ソースが明確に規定されているようですが、見たところ自作のエアータンクはおそらくレギュレーション違反になると思います。
スティールチャレンジに参加したことはないので詳しいことは分りませんが、一度確認したうえで作成されることをお勧めします。
自分もルールを確認したところエアガン用に市販されているエアータンクのみみたいですね。
練習ではガス代が掛かるので練習の時だけ自作のエアータンクを使って練習します。
試合には紹介されてるグリーンガスで出場したいと思います。
何度もありがとうございました。
外部ソースを検討してたらここにたどり着きました。
フロンガスだと家で火を使う事が多く、化学変化で鼻水や目の痛みが止まらなくなります。
タンクの質問なのですが、このタンクは使えないのでしょうか?
※(STRAIGHT/ストレート) エアーサブタンク 19L 17-608
https://www.amazon.co.jp/STRAIGHT-%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%88-%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%BC%E3%82%B5%E3%83%96%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%82%AF-19L-17-608/dp/B00777M80O/ref=pd_sbs_263_4?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=A5BTPHQA7TZFKA08BRS9
コスパ的にはエアータンク自作より、CP-100で運用した方が安いって事ですか?
エアータンクとエアコンプレッサーは主に持ち運びながら使うかどうかで決まります。
サバゲーなどで持ち運びながら使うならエアータンクしかないですが、電源が確保できる場所で動かずにターゲットを撃ったり、空撃ちを楽しむならコンプレッサー(CP-100)を使った方が安上がりです。