Zippoハンディウォーマー

寒い日々が続くこの頃、あまりにも寒すぎてたまらないので使い捨てカイロを使っていたのですが、毎回買うのも面倒だし、使い終わったカイロの処理も考え物ということで使い捨てないカイロ、ZIPPOハンディウォーマーを買ってみました。

ZIPPOライターオイル

このZIPPOハンディウォーマーの燃料はなんとZIPPOのライターオイルです、しかし可燃性の液体を使用しているからといって燃焼をしているわけではありません。

蓋を空けたところ

蓋を開けると写真のとおり火口が見えます、パッと見ライターのように見えますが火が出るわけではないので安心して使えます。

では、どうして発熱するのか?実はこの火口についているプラチナ触媒に発熱の秘密が隠されています。

ZIPPOハンディウォーマーの発熱原理は燃焼ではなくプラチナ触媒の分解作用によるもので、燃料の成分であるベンジンとプラチナ触媒が反応して分解される際に発生する熱を利用しています。

ですから、燃焼ではなく比較的低温の温度(とはいっても100度以上の温度が出ます)を長時間安定して出すことが可能なのです。

火口

火口裏

これが火口です、この綿に微量のプラチナが付着しています。

ここを気化したZIPPOオイルが通過し、気化したオイルに含まれているベンジンがプラチナ触媒に接触、触媒作用でベンジンが分解されその際に熱が生じます。

燃料タンク

燃料タンクはZIPPOオイルライターと同じく綿が詰められています、ここに燃料のZIPPOオイルを入れます。

ZIPPOオイルを注入

カップ1杯で12時間、2杯で24時間の発熱が可能と書いてあるのですが実際使ってみるとカップ1杯で12時間~14時間は発熱し続けます。

火で加熱

燃料のZIPPOオイルを入れたら火口を取り付け火で3秒程度あぶります、これは発火させているのではなくプラチナ触媒を活性化させるための予熱です。

プラチナ触媒は反応に100℃以上の熱が必要で、常温では反応しないため最初だけ火で加熱して反応できる温度にあげる必要があります。

一度温度が上がれば後はプラチナ触媒の分解反応時に出る発熱で温度を維持できるため、ZIPPOオイルがつきるまで発熱し続けます。

ちなみに燃料のZIPPOオイルは臭いのですが、発熱時はそれほど臭いはありません。上着の内ポケットに入れて僅かにオイルの臭いが上がってくるだけです。

火口の発熱

火口は高温となっているため火は出ていませんが、暗くすると赤く発光しているのが見えます。このため火気厳禁の箇所での使用はできません。

また燃料のZIPPOオイルは航空機への持ち込み制限により規制されているため、機内への持ち込みも禁止されています。その点は留意しておく必要があります。

フリースの袋に入れて使用する

発熱し始めたらフリースの袋に入れてポケットに入れて使用します。

このフリースの袋を通して、およそ使い捨てのカイロと同じ程度の熱を感じることができます、本体はかなり熱くなっていますのでフリース無しで直接使うのはお勧めできません。

ベンヂン

燃料はZIPPOオイルの他ハッキンカイロベンヂンも使えますが発熱量はやや劣るようです、試しにホームセンターで染み抜き用と書いてあったベンジンを買って使ってみたのですが、発熱は少なく使い物になりませんでした。

ベンジンだったら何でもいいというわけではないようです。

また、火口も消耗品のため70回から90回の使用で性能が低下するようです。火口が性能が落ちると、触媒を通った際未反応のガスが多くなり、燃料の臭いきつく感じられるようになるので定期的な交換が必要になります。

困ったことに、地元には燃料のZIPPOオイルは置いてあってもZIPPOハンディウォーマーの火口は無いのでネットだよりです。

こういう点が面倒がられプラチナ触媒カイロは廃れてしまったのでしょう。使い捨てカイロが出るまではこのようなハッキンカイロ等のプラチナ触媒カイロが携帯カイロの主流だったようですが、今では使い捨てカイロにお株を奪われています。

しかし、持つ喜びというものを与えてくれるという点においては素晴らしく、機械好きの人間にとっては原理や仕組みを含め持っているということに喜びを感じます。そういう意味では男のおもちゃなのかもしれませんね。

もちろん、実用性もあり仕事やプライベートで毎日活用しています。