マルシンのWebサイトがリニューアルされた際、スーパーブラックホークが商品案内から消えていたので、絶版になったかと思い不安になったのですが、カタログ落ちということではなかったようです。
しかし、スーパーブラックホークが人気なのか、はたまた熱心なマルシンユーザーが買い込んでいるのか、再版後ネットでの在庫がどんどん消えていき、急いで確保するために予算オーバー覚悟で3丁買い込んできました。
■ABSとは思えない美しい外観
スーパーブラックホークの再販をずっと待っていたため、個人的な思い入れ補正もあるとは思いますが、箱から出したとき「久しぶりに良い物に出会えた」と感動してしまいました。
※何処を切り取っても素晴らしい完成度で100ショット以上の写真を撮ったが全てが見せられないのが残念なぐらい
※何処を切り取っても素晴らしい完成度で100ショット以上の写真を撮ったが全てが見せられないのが残念なぐらい
HWモデルのマットな雰囲気とは真逆といえる光沢のあるディープブラックABSは、まるで実銃に似た光沢を放ち、ABSモデルということを忘れるほど魅せられる美しさがあります。
この美しさはABSの上にメッキで塗装する手法によるもので、ABSのチープな雰囲気とも、安っぽいメッキ塗装とも違う高級感が漂っています。
うっすらとシリコンオイルを塗布すると光の入り加減によってブルーイングを施したような光沢を放ち、まさに飾っておくには最適な1丁と言えます。
ただし、塗装がメッキのため皮膜が非常に薄く、シリンダーを抜く時にセンターピンがアウターバレルに干渉しようものなら、メッキ塗装があっという間に削れて剥離します。
外観の完成度の高さのあまり、傷ついたことが相当ショックで、結局飾るために1丁同じ物を手に入れることにしました。
しかし、ネットショップ全体を見るに、スーパーブラックホークの在庫が切れそうな勢いで減っていたので、こちらのシルバーABSモデルも慌てて購入してきました。
光沢のあるシルバーABSモデルは、ディープブラックABSと同じく高級感が漂う美しい光沢で、塗装の難しさからか安っぽいメッキ塗装のエアガンが多数を占める中で、群を抜いて完成度が高いといえます。
ディープブラックABSと違い、明るい色のため鋳造パーツの造形が今ひとつ甘いのが目立ってしまいますが、ここはヤスリで綺麗に慣らした後、鏡面加工を施したくなります。
■マニュアルは8mmモデルのまま流用
最初に箱を開けた際に、誤って8mmモデルのマニュアルを入れたのかと思ったのですが、どうやら注意書きを見るに8mmモデルのマニュアルはあえて流用しているようです。
しかし、6mmモデルと8mmモデルでは使用するパーツの一部が違うため、8mmモデルのマニュアルに記載してあるパーツリストを見ても6mmモデル専用のパーツが解らないのはメンテナンスの点から見てどうかと思います。
さすがに、弾が真っ直ぐ飛ばない程度なら笑って済ませますが、これはちょっと・・・。
■ファストドロウは問題有りファニングは可能だが・・・
スーパーブラックホークはその形状を見ると分かるとおり、コルト社のシングルアクションアーミー(以下SAA)、別名ピースメーカーのクローンモデルです。
動作も同じくシングルアクションのみで、トリガーを引いてもハンマーが起きていないと弾が発射できない構造になっています。
SAAといえば西部劇で早撃ちに使用している銃として有名ですが、マルシン スーパーブラックホークも同じようにファニングができます(リアサイトが邪魔ですが)。
※ファニングとはトリガーを引いた状態で手のひら(上級者は親指と小指または親指中指小指で弾く)でハンマーを弾いて連射する撃ち方でダブルアクションのリボルバーは構造上これができない
ただし、ファストドロウ(ホルスターから抜いて即座に撃つ行為)ではガスガン特有の問題が出てきます。
マルシンのスーパーブラックホークは勢いよく銃口を真下から横に向けると、ガスタンクの生ガスが勢いで上部に偏り、そのまま発射すると生ガスを盛大に発射する構造になっています。
見た目は黒色火薬時代の銃を使った雰囲気が感じられることもないのですが、グリップ内部にあるガスタンクの生ガスを吹き出すため、あっという間にガスが抜けてしまいます。
ガスを入れずに使うのであれば良いのですが、ファストドロウでBB弾を発射したい場合は考え物です。
ちなみに、暫く撃っていると至る所のネジやピンが衝撃で緩んで外れます。
グリップとフレームを固定するピンやリアサイトの固定ピンが抜けかけましたし、シリンダー収納箇所の後部フレーム側のネジが解けて(雌ねじ側のネジ山一部喪失による)シリンダー内に侵入することもあったため、ある程度使ったら各部を確認する必要があります。
特に、エジェクターのネジが緩んできて全長が伸び、シリンダー前方に干渉する症状は傷が入るため注意が必要な箇所です。
こういった点があるため、実射性能やガンプレイをメインに考えて購入するのであれば、ガンプレイに耐えられるSAAのガスガンやモデルガンを選択するべきです。
マルシン スーパーブラックホークはカート式のガスガンですが、Xカートに更にリアル感を追加したリアルXカートを採用しています。
従来のXカートは弾頭部分がシルバーになっており、実弾の銅色とは違いリアリティが欠けている指摘するユーザーがいましたが、リアルXカートでは弾頭部分が実弾とおなじ銅色になっており、「リアル」の名のとおり完成度が更に増しています。
しかも、マルシン スーパーブラックホークの元となったモデルは.44マグナム仕様なのでカートの大きさは.357マグナムよりも更に大きく、その迫力も素晴らしいものです。
このカートは1発34gと重量も大きく、装弾時に更に本体の重量を増すため、手に持ったときの重量感にリアリティを感じる要素にもなっています。
■リロードしてみれば分かるあの人のすごさ
「俺のリロードはレボリューションだ!」で有名なリボルバー・オセロットもSAAを愛用していましたが(5では商標の問題かマテバ 6 UnicaとM2006を合せた架空銃に変更された)、スーパーブラックホークもリロード方式は殆どSAAと変わりません。
近代リボルバーと違い、シリンダーはスイングアウトしないため、リロードの際は非常に手間が掛かります。
まず、ローディングゲートを開きシリンダーをフリーにして・・・
シリンダーを真下に向けて回しながら1発ずつ排夾するのですが、マルシン スーパーブラックホークは簡単にカートが落ちるものの・・・
実銃では膨張して張り付いた空薬莢をエジェクターで押し込んで排出することになります。
実銃では膨張して張り付いた空薬莢をエジェクターで押し込んで排出することになります。
加えてSAAはこの工程の前にハンマーをハーフコックにする作業が必要となりますが、マルシン スーパーブラックホークにハーフコックはありません。
全て排夾したら、また1発ずつシリンダーに込めてはシリンダーを回すという行為を繰り返し、6発込めたらローディングゲートを閉めてリロード完了です。
エジェクターの行程を飛ばしているとはいえ、この面倒なリロードを約5秒間で2丁やってのけてしまう訳ですが、このスピードは間違いなく人外レベルです。
西部開拓時代では予備の銃を出して応戦することもあったようですので、緊迫した戦闘中に1発ずつリロードというのは実戦中では考えにくいですし、ましてや5秒で2丁リロードは間違いなく人では無理です。
マルシンのスーパーブラックホークをサバゲーで使う事は余りないとは思いますが、ゲーム中のリロードは通常のリロードはもちろん、シリンダーごと交換する方法よりも、シリンダーにカートが入っている状態のまま、シリンダー前方からカートに直接BB弾を押し込む方が早いです。
何のためのカート式だよ・・・。と思う人はもう1丁下げるか、時間がかかってもシリンダーごと交換するのが良いかもしれません。
本体の重量はカート込みで945gです。
本体も重たいのに、更に1発34gの重量級カートが6発入るため、HWでもないのに手に持ったときの重みはズッシリと重たく、チープさを感じさせないどころか予想以上に重たかったのが印象に残っています。
ABSなので、重さについては満足できないかかもしれないと思ったのですが、これは良い意味で裏切られました。
ただ、空のシリンダーはこのエアガンがABSということを再認識させる軽さになっています。安全対策のため中抜きもされているため、シリンダーを外すとチープ感が若干出てくるのは否めないです。
■初速と命中精度
初速については28度の環境で実測したところ、50m/s後半から60m/s前半となっていますが、カート式のためか初速の振れ幅が約10m/sと大きな差が出ています。
58.32m/s
62.85m/s
62.05m/s
62.66m/s
52.68m/s
59.21m/s
最高初速 62.85m/s
最低初速 52.68m/s
平均初速 59.63m/s
初速振幅 10.17m/s
初速については28度の環境で実測したところ、50m/s後半から60m/s前半となっていますが、カート式のためか初速の振れ幅が約10m/sと大きな差が出ています。
58.32m/s
62.85m/s
62.05m/s
62.66m/s
52.68m/s
59.21m/s
最高初速 62.85m/s
最低初速 52.68m/s
平均初速 59.63m/s
初速振幅 10.17m/s
命中精度についてはマルシン製だけにそこまで期待はできないと思っていましたが、マルシン製のエアガンの中ではそれなりに真っ直ぐ飛んで若干驚きました(あくまでもマルシン製品の中では・・・ですが)。
ただし、ホップアップを効かせると、イモネジが撃つ度に衝撃で動いてホップアップの効き具合が変わるという問題もありますので、やはり、飾る以上のことは期待ができません。
基本的にマルシンのエアガンはおまけでBB弾が発射できるモデルガンのような物と個人的に解釈しています。
もちろん、CO2モデルのFive-seveNという例外もありますが、ホップアップ調整ネジが勝手に動く件がなければ、マルシンの中では良い部類に入るのではないでしょうか。
■まとめ
実射性能についてはマルシンにしては中々の性能で、プリンキングに使えないことはないですが、リロードの点や下記の点からサバゲーに使う場合はよほどのロマンがないと難しいでしょう。
傷が入りやすく、ハンマーが落ちる衝撃で各部のネジやピンが緩むという致命的な問題があるため、ガンプレイはもちろん、プリンキングやサバゲーにも薦めがたいモデルですが、マルシンのスーパーブラックホークは飾るためにあるようなモデルなので、その点を意識しておかないと痛い目に遭います。
飾る用であれば、ディープブラックABS、シルバーABSとも美しい艶のある光沢感が素晴らしく、ついつい見とれてしまう美しさに、触って使う用と飾って楽しむ用を別途購入しましたが、満足感は素晴らしいの一言です。
コメント
コメント一覧 (3)
気づくのが遅いけど俺もディープブラックABS欲しくなりました。
HWは持ってますがこれはいいですね。
ただこの44マグナムはファストドロウやる鉄砲じゃないでしょう。
こんなんでやったら鉄砲が吹っ飛びますよ。
まぁ日本じゃ6mmですけどね。
イメージが合いません。
44マグナムでファニングもやめて欲しいです。
無理ですから笑笑