アウターバレル物故抜き

一般的な電動ガンと比べると高めですが、MULEのM134ミニガンに手が届かないけどガトリングガンが欲しい、又はサバゲーで使いやすいガトリングガンが欲しいという人の夢を叶えたClassic Army M132マイクロガン

中華エアガンなのにかなり人気のようで、中にはサバゲーに投入している人もいるようですが、Classic Army M132マイクロガンはそのまま使うとあっという間にガスが冷え、飛距離が落ちて使い物にならなくなります。

また、重量を軽くするためかバレルは4本になっているため、サイクルが犠牲になっていることもあり、折角の段幕製造機がこれでは台無しです。

そこで、ひたすらトリガーを引き続けることができるトリガーハッピー仕様を目指し、外部バッテリーと外部ソース化を施してみることにしました。

■外部ソース化でトリガーハッピー

長物GBBを含め、ガスの消費が激しいガスガンは夏期の間のみ快調という物も珍しくはありません。

通年で使用する場合や、常に安定した初速を確保する場合、フルオートをまともに使いたい場合は外部ソース化して対応することで、常に夏のような快調な動作を期待できます。

Classic Army M132マイクロガンは構造上、簡単に外部ソース化できるので、外部ソース化してやればトリガーハッピーし放題になります(使うガスによりますが)。

簡単に外部ソースのシステムに接続

が、長物ガスガンは外部ソース化すると大抵初速が規制値を超えます。Classic Army M132マイクロガンも例外では無く、サンプロジェクトSP-8000を使い、最大圧(0.55Mpa)を掛けると初速は余裕で規制値を超えてアウトに・・・。

一部のショップでは外部ソース化が簡単にできるとかセールストークで書いてあるところもありますが、初速に触れずに表記しているのは誤解を招くのでどうかと思います。

ともかく、Classic Army M132マイクロガンは外部ソース化すると初速対策が必要となるため、定番のバレルカットをして初速を落とすことにしてみました。

■分解は意外と簡単だが・・・

Classic Army M132マイクロガンは一般的なGBBと違う構造のため、分解にはかなり抵抗がありました。

インナーバレル

インナーバレル先端側にアクセスできればバレルカットできるので、試しにアウターバレル根元の4本のネジを外し、そのままアウターバレルをマズル側に引っこ抜いてみると簡単にインナーバレルにアクセスできました。

この状態でもバレルカットは簡単にできそうですが、このままカットするとインナーバレルのセンター出しができなくなります。

マズルキャップ

Classic Army M132マイクロガンはマズルにキャップがはめてあり、そのキャップがインナーバレルのセンター出しをしているのですが、当然バレルカットをするとキャップに
バレルが通らないためセンター出しができません。

アウターバレル内部のクリアランス

ノギスで計ったところ、インナーバレルのキャップ挿入部より奥側が15mmでインナーバレルの外形が8.6mmだったので、このサイズに合わせて円形のスペーサーでも作れば対応もできるのでしょうが、旋盤などの高度な機械を持っていないので早々に諦めました。

そこで、厚めのビニルテープを巻いてセンター出しを行うことにしたのですが、この場合、構造的に問題が出てきます。

アウターバレルは根元が細い

アウターバレルは根元でインナーバレルを固定するためにギリギリ通る細さになっており、インナーバレルにビニルテープを巻くとアウターバレルに通りません。

困ったと思いながら、あれこれClassic Army M132マイクロガンを触っていると・・・、インナーバレルが引っこ抜けました。

バレル位置を固定するパーツ

インナーバレルは、バレルが回るのを防止するため、位置を固定するパーツに包まれて押し込まれているだけでした。マズル側に引き抜けば簡単に外れます。

パージ

バレルは一般的な電動ガンに使う形状で、専用固定パーツとチャンバーパッキンを外せば、マズル側からインナーバレルを押し込むことできます。

これで、インナーバレルにビニルテープを巻いても元に戻すことができます。

バレルをカット

次に、バレルをカットしますが、バレルのカットはパイプカッターでカットして、バリのカットと先端のテーパー処理はリーマーを使います。

リーマーでバリ取り

どれだけ減速するか試しに10mmカットしてみたのですが、元のバレルが長いため、初速は誤差の範囲程度でしか落ちていませんでした。

バレルカット

最終的に170mmカットして0.2gBB弾で最高初速93m/s(最大圧0.55Mpa時)に落ち着きました。初速のばらつきも87m/s~93m/sとなり、若干初速に余裕を持たせているため、アウトドアフィールドのレギュレーションで安心して使える仕様になりました。

個体差があるので必ず初速は計測する前提として、バレルカットの参考にする場合は160mm~170mmあたりで試してみると良いかもしれません。

センター出しのビニルテープ

組み戻しは、ビニルテープを巻いたインナーバレルをマズル側からアウターバレルに挿入して、アウターバレル根元からインナーバレルを出し・・・

バレルの固定パーツを両面テープで固定

バレルの固定パーツを両面テープで固定してチャンバーパッキンを挿入しておきます。

インナーバレルを1本ずつチャンバー部分に挿入して、全て挿入したらアウターバレルを押し込み、4本ネジ留めして完成です。

その後、屋外で試射してみると、何故か10禁のエアコキのような低初速弾道になるバレルがあり、バレルカットしすぎてアウターバレルに干渉しているのかとも思いましたが、原因は別にありました。

チャンバーユニットごと引っこ抜いた

原因解明のため再び分解してみることにしたのですが、アウターバレルを外す際、勢い余ってベアリングと一緒にチャンバーユニットごと引っこ抜いてしまったのですが、これが原因解明に繋がりました。

チャンバーパッキン挿入ミス

チャンバーユニットを見てみると、1つだけチャンバーパッキンが正しく装着されていないバレルがあり、これが原因で弾道がおかしくなっていたようです。

修正後

バレルをいったん抜き、チャンバーパッキンを正しく挿入した後は正常な弾道に戻ったので、最終的な組込の前にあらかじめこの箇所を確認しておいた方が良いかもしれません。

なお、チャンバーユニットを外すとホップアップを調整する芋ネジの固定がフリーになるため、慎重に外さないと芋ネジが外れて何処かへ行ってしまいます。

■グリーンガス74gでどれだけ撃てる?

Classic Army M132マイクロガンをトリガーハッピーできるようになった訳ですが、元よりトリガーを引き続けている間ガスを放出するという燃費の悪い構造のため、外部ソース化しても1マガジン分撃てるか不安でした。

サバゲーに投入するためにも燃費の計測は必要だろうと思いテストしてみたのですが、グリーンガス74gをサンプロジェクトSP-8000に取り付け、最大圧の0.55Mpaに固定して発射したところ、約1040発という結果になりました。
※重量換算での計測値

1マガジン分すら撃てないとかどれだけ・・・。

凍り付くグリーンガス

しかも、冷えに強いグリーンガスといえども、このような燃費の悪さで20秒も連続してトリガーを引き続けるとグリーンガスのボンベやレギュレーター周りが気化熱で凍り付きます。

この状態になると圧力が0に近づき給弾不良を起こして最後はバレルが回るだけに・・・。

グリーンガスボンベによる外部ソース化では完全にトリガーハッピーというわけにはいかないようです。

レギュレーター装着

ミドボンにアダプターを噛ましてサンプロジェクトのレギュレーターを付けてテストしたときは長時間撃ち続けることができたので(とはいえレギュレーター側が凍りつく)、ボンベが小さく熱容量が少ないことが原因かもしれません。

さすがにミドボンは簡単にフィールドへ持ち込めるものではないので、アダプターを噛ましてから手持ちの中型ボンベにサンプロジェクトのレギュレーターを取付けて投入してみることにします。

■供給電圧は仕様上限の12Vで攻める

Classic Army M132マイクロガンで使えるバッテリーは上限12Vまでとなっていますが、推奨バッテリーの11.1Vリポバッテリーは満充電時に12Vを若干超えるため、同じく実電圧が12Vを若干超える鉛バッテリーを使っても大丈夫ではないかと思い、外部バッテリー化してみることにしました。

シールドバッテリー

ちょうどCAWのM134用に使用しているシールドバッテリーが手元にあったため、これを直接Classic Army M132マイクロガンに接続するケーブルを作ることにしました。

平型端子

シールドバッテリーはWP 12-12という汎用規格のモデルですが、端子が平型端子(ファストン端子)の#250のため(モデルによっては端子が違う)、一般的な車用品のDIYコーナーで手に入る平形端子が使えます。

メスのTコネクタ

Classic Army M132マイクロガン側は、リポバッテリーで使われていることが多いTコネクタなので、5A(仕様上の数値)に耐えるケーブルに平形端子を圧着し、反対側にメスのTコネクタを半田づけして専用ケーブルを作りました。

自作アダプター

これで12Vの鉛シールドバッテリーと接続して、仕様限界の12Vでバレルを回すことができます。

早速トリガーを引いてみたのですが、8.4VのミニSバッテリーを使用した時とは比べものにならないほど甲高いモーターノイズを発しながらバレルが回ります。

この仕様で実測23発/秒を計測していますが、バレルカット後は重量が減った影響か、初速の計測中に25発/秒を計測することもありました。

なお、消費電流は5A(あくまでも仕様上の数値)のようなので、WP12-12を使った場合、計算の上では2時間以上バレルを回し続けることができるはずです。

少なくとも、バレルカットとホップアップ調整で約7500発は充電せずに使用していましたが、サイクルが落ちることはありませんでした。

ただし、WP12-12シールド鉛バッテリーは4kg以上と重たいのでその点が玉に瑕です。新規に購入するなら容量が低くて軽WP5-12あたりが扱いやすいかもしれません。

■最終的な仕上げ

これで、ノーマルの仕様よりも安定してBB弾を発射できる時間が長いClassic Army M132マイクロガンが出来上がったわけですが、弾道を見るにインナーバレルのセンター出しも成功したようで、2日がかり合計12時間以上も作業に費やした苦労も報われた気持ちです。

レビュー用の動画撮影の後にはなりますが、最終的な仕上げとして、バッテリー収納箇所の蓋にケーブルを通す穴を開け、ガス缶を入れる箇所を取り払ってトリガーハッピー仕様として完成させる予定です。

これだけやってハイサイクル電動ガンとさほどサイクルは変わらないのですが、Classic Army M132マイクロガンはここまでやりたくなるほどのロマンが詰まっています。

次のアウトドアフィールドに行く際は、このトリガーハッピー仕様のClassic Army M132マイクロガンを持って参戦してみたと思っていますが、早く使いたくて悶々とした日々を送っていたりします。