ROWAの互換バッテリー

デジカメで愛用している互換バッテリーメーカーROWA社から電動ガン向けに互換バッテリーを発売していることを知り、ジャンルを選ばないカバー範囲に少々驚いたのですが、バッテリー容量が大きく純正よりも安価ということで試しに購入してみることにしました。

ROWA社は互換バッテリーメーカーとしては実績と信頼の有るメーカーのため、今後のバッテリー購入のために純正バッテリーと他社の互換バッテリーとで比較テストをしてみることにしました。
 
簡易包装


さっそく手元に送られてきたバッテリーがこれです。見た目は東京マルイの純正Mini-Sバッテリーに似たようなデザインになっています。

コード

純正Mini-Sバッテリーでは両方共に黒いコードがROWAのものでは極性に合せた赤黒のコードになっています。このコードですが、純正Mini-Sバッテリーよりもやや長めで収りが悪くなる原因となっています。

ROWAの互換バッテリー

パッケージには純正Mini-Sバッテリーよりも大きな容量の1600mAhと表記されており、社名も入っているためこの箇所を見ると互換バッテリーということがはっきりと分かります。

ケーブルについては純正Mini-Sバッテリーほどではないにしろ柔らかく、ややコードが純正Mini-Sバッテリーよりも長いことを含めても、電動ガンに収納する際の取り回しについては純正Mini-Sバッテリー以下RONDA以上といったところ。

ただ、純正は柔らかい分皮膜が薄いため耐久性に難があるのですが、このケーブルなら耐久性は期待できそうです。
※写真の純正Mini-Sバッテリーは皮膜が一部破れている 

バッテリー大きさ比較
僅かにサイズが大きい

ただし、純正Mini-Sバッテリーと比べて僅かにサイズが大きいため、純正Mini-Sバッテリーでギリギリ収納できるタイプの電動ガンだと入らない可能性があります。

試しに純正Mini-Sバッテリーでもきつめな東京マルイの次世代電動ガンAKS74Uに取付けてみましたが、キツイものの収納は可能でした。

まずは初期不良の確認のため、充電後にテストで数マガジン撃ってみたところ、特に純正と変わりなく、フルオートで1マガジン撃ってもサイクルが低下するような兆候はありませんでした。

しかし、それだけで良いものかどうかを判断するには材料不足なので、放電能力、容量比較、自己放電について調べてみました。

充電器と放電器

今回のテストをするにあたってはIRE NiMH NICd用 クイックチャージャー8.4-12V用(SEIKIのOEM品でIREからは現在絶版。現在はライラクスからOEM販売)で充電、コスモエナジーBATTERY CONDITIONER 7.2V/8.4V(OEM品がライラクスで取扱中)で放電を3回サイクル繰り返してバッテリーを活性化させてから挑んでいます。
※後日検証して分ったのですが、この放電器をニッケル水素バッテリーで使用すると過放電するのでお勧めしません。 
 

なお、本来は新品同士で比較するべきなのですが、東京マルイのバッテリーは新品が用意できなかったので、僅かですが使用気味(2年間で20回程度使用)のものを使っています。
その点を差し引いて評価してもらえればと思います。

まずは放電能力です。電動ガンの中でもリコイルユニットがあるため、バッテリーへの負荷の高い東京マルイ次世代電動ガンで1マガジン(74発)をフルオートで全弾撃った際の電圧低下を計測して比較します。

放電能力が低いバッテリーでは電圧降下が大きくなり、劇的なサイクル低下を起こすとモーターやギアのノイズが明らかに変化するのが分かります。

フルオート時電圧

今回のテストでは自己放電も含めてテストしているため、充電直後、充電後10日後、充電後1ヶ月後でテストしています。

全バッテリーでハッキリと感覚で分かるほどの異常な電圧降下はありませんでした。1マガジンをスムーズに撃ちきり、放電能力については次世代電動ガンが必要とする放電能力を満たしています。

ROWAの互換バッテリーについては容量が大きい分放電能力も大きいのか、電圧降下の具合が他に比べて低くなっています。

サイクルは計測していませんが、電圧が高い分純正バッテリーと比べると僅かにサイクルが高くなると思います。
※次回バッテリーを比較する機会があればサイクルも計測する予定

なお、マルイの30日後の電圧が高くなっているのは、計測日当日の気温が桁外れに低かったため、バッテリーの性能低下を起こす可能性を考慮して事前にバッテリーを暖めていたことが影響していると思われます。

続いて自己放電の度合いを確認してみました。

電圧

充電直後には9.6Vもある電圧も時間と共に自己放電で低下してきますが、低下の度合いについては差がほとんどみられません。

安物互換バッテリーのRONDAが意外にも健闘しています。

次は放電時間の違いによる容量の比較です。

本来、電池の実容量を計算する場合は電圧をリアルタイムで記録しておき、電流と掛け合わせて積算する必要があるのですが、そのような計測機器が無いため、あくまでも放電時間による比較になります。
※放電器は9.6V時350mAhの電流が流れていることをテスターで確認

放電時間

セルのサイズが大きい分だけあって、容量が多いROWAの互換バッテリーは放電時間が長くなっています。

しかし、容量は23%増なのに放電時間は充電直後で9%の差なので、使用前にあらかじめ充電しておく場合、23%の容量増は大きなアドバンテージには繋がらない結果となりました。

バッテリーを放置する時間が長いほど差が大きくなりROWAのスタミナが輝いてきますが、放置しすぎるとバッテリーが過放電で痛むため考えものです。

充電後、10日放置して純正バッテリーと同じ程度使える点にどれだけ魅力を感じるかが評価の分かれ目となりそうです。

また、このテストでは判断できないセルの経年劣化具合や、各セルの自己放電具合のばらつきについては使用していくなかで判断していくことになりますが、デジカメのバッテリーテストでは1ヶ月に2~3回充電する環境で、1年で約9%純正と差が出る結果が出ています。

もし、頻繁に充電をするような環境で考えると、耐劣化性能は純正バッテリーに軍配が上がる可能性が高く、ヘビーユーザーでなおかつ2年以上使うならメーカー保証が有ることも含めて純正バッテリーを選ぶのが正解です。
※純正バッテリーが品質の良いセルを使っているという前提

逆に、私のような月に1回程度サバゲーに行くようなライトユーザーであれば、それほど充放電による劣化を気にする必要もないので、ROWAの互換バッテリーも選択肢としてあげられます。
※過放電させないように電圧管理はしっかりとしていることが前提

後は、電動ガンに使った際のメーカー保証をどう考えるかといったところでしょうか。

RONDAバッテリー
 
ちなみに、一番安価なRONDAバッテリーですが、1マグをフルオートで撃った際にサイクル低下が起きた固体が出たことや、放電後の電圧回復具合(放電後も電圧が高い=内部の化学反応が穏やかなので放電しきれない=放電能力が劣る可能性がある)からセルの性能があまり良くないと感じることもあり、当たり外れがあるように感じます。

価格が純正バッテリーの半分という激安価格ということもあり、品質は二の次でともかく数を揃えたい場合には使えるバッテリーです。少なくとも、取り回しが悪い程度で使えないことはありません。
※3個購入して実際にサバゲーで使用中

もちろん、電動ガンに使った際の保証は互換バッテリーのためROWAと同じく保証対象外ですから、その点には要注意です。

ということで、気になっていたROWAの電動ガン用バッテリーはライトユーザーならお勧めできる性能と価格といったところでした。

互換バッテリーとしてはやや割高感がありますが、デザインや作りはしっかりとしていますし、それほど電動ガンを使う機会もないため、次回のバッテリー更新の際はROWAのバッテリーに更新しようと思います。