エアガン業界では製品の発表から発売まで長いこと待たされることはままある事なことですが、その期間、多くの人から期待をされ続けるモデルはそうそうありません。

今回レビューする東京マルイ M4A1 MWS GBBについては、発売まで期間、多くの人から期待をされ続け、発売後は賛否両論を巻き起こしたほど人気のモデルです。

私も、製品の発表があった際に発売されたら絶対に買うと決めていたほどでしたが、MP7A1に続く東京マルイの長物GBBへの挑戦はどのような形として結実したのか、今回も動画を交えてレビューしてきます。
 
M4は売れる

長物エアガンで売れ筋といえばAR系のライフルは定番どころで、M4に関しては国内外問わずエアガンメーカー各社から数え切れないほど発売されています。 

GBBモデルに限定してもWA、KSC、タニオコバ、WE、VFC、G&P、イノカツ、KJ・・・と数多くのメーカーから出ているわけで、この状況の中でも売れると確信できるのは単純にM4だからというわけでもなく、マルイらしい動作性・命中性能だからといえます。

落ち着いた表面処理

外観については、表面処理が纏まっているため落ち着いたマルイらしい表面処理となっています。

エジェクションポート側


ただ、全体的な外観のクオリティは飾って楽しめるようなレベルに達しているわけでもなく、その点では他者メーカーに軍配が上がると思います。

外部ソース化も可能

マガジンについても、海外製長物GBBで採用されているガスバルブがマガジン装着時に隠れる個所にあるわけでもなく、外部ソースについて否定的なイメージを持つマルイにしては素直に出してきたという感じです。
※外部ソース化の際は要初速対策 

しかし、マルイのGBBエンジンの安定性や命中精度は高いレベルにあるため、調整必須の海外製GBBと違い、箱出し状態でサバゲーに投入できるレベルです。

外観のクオリティ

おそらく、M4 GBBで箱出し状態のままサバゲーで使えそうなものといえば、他の方の動画を見る限りKSC(Ver.2)かタニオコバぐらいでしょう。

もちろん、耐久性、入手性(予備マグ・保守パーツも含む)、販売価格はマルイに軍配が上がるのは言うまでもないので、現状M4 GBBでサバゲーがしたいという場合においてマルイはイチオシしとなります。

ただし、東京マルイの長物GBBはまだ第2弾目で、初期ロットということも含めていくつかトラブルがあります。

マガジン

1つ目はマガジンの弾詰まりによる給弾不良です。これはレビュー動画の撮影中、合計25マガジン分ほど撃ったのですが、1回のみ給弾不良を起こしました。撮影の最初の方で発生したため、マガジン内のパーツクリアランス渋く、あたりが出ていなかった可能性があります。
※G&G バイオBB弾0.2g使用

ハンドガード

2つ目はハンドガードがカタカタと動くというものです。これについては音が気になるものの、実用性に影響を与えるほど酷いものではない為そのままにしています。

いまのところ目立ったトラブルというものはこの程度で、給弾不良も頻繁に発生するものではないため不満に感じることはありません。

マルイオリジナル構造

内部構造に関しては、リアル派GBBユーザーは受け付けることが難しいマルイオリジナル構造になっており、完全に動作性能に振っていることが分かります。

Zシステム

Zシステムの採用からもわかるように、耐久性、動作性能を重視しているのは明らかで、リアル派GBBユーザー向けではなく、サバゲーユーザー向けのモデルということが内部構造からもわかります。

30mプレート

確かにサバゲー用として使うには優秀なモデルで、命中精度については30mの15cmディスクに余裕でヒットを出せるレベルです。

初速

初速の安定性も良好で、GBBにしては80m/s台前半という高めの初速ということもあり、命中精度の高い同社の次世代電動ガンに肉薄する命中精度を持っていると感じるほどです。
※室温、マガジン表面温度25度の環境にて計測

安定したGBB動作

また、マガジンが冷えてきてもBB弾の発射にガスを優先的に回す構造の為、リコイルショックは弱くなってもBB弾の初速は劇的に衰えることがありません。

この時期ではマガジンを温めてセミオートで何とかサバゲーで使えるレベルだそうですが、長物GBBの中では比較的冷えに強く、生ガス噴射器になりかねないWAや海外製GBBと比べると、寒い中でもよく動くと感心させられます。

金属音はかなり控えめ

ただ、個人的に気になる部分もあり、フルメタルのGBBなのに金属音がせず静か。撃った時の爽快感が乏しいという点が気になります。

サバゲー向けという点では音が小さいのはメリットですが、お座敷派の人は近隣に迷惑がかからない、音が今一つ、で賛否が分かれると思います。

個人的な意見としては金属音がガキンとした方が盛り上がりますし、平気で派手な音を出すGBBをサバゲーで使うので(雰囲気が大切派なので)、せめて同社のGBBハンドガンのような爽快感のある音にしてもらいたかったところです。

また、GBBエンジンの構造がBB弾の発射を優先的に行う設計の為か、ガス圧が変化するとリコイルショックが激しく変わるという点も気になるところです。

元よりGBBはガス圧の変化に敏感に反応して動きが変化しますが、その症状が顕著に出るように感じます。

マガジン温度

計測した結果としては、マガジン表面温度が25度以下だとグニャリとしたリコイルショックで、アレ?と感じる感触でした。
※リコイルバッファの構造的が問題に起因している可能性あり

マガジン表面温度を25度以上にするとしっかりとしたリコイルショックになるので、屋外で気持ち良く撃てるようになるのは春になってからでしょう。

総重量

重量も軽すぎず重すぎずといった重量で、マガジンが約460g、マガジンを含めた総重量は約3㎏となっています。これなら長い間かまえても疲れにくく、サバゲーで使う場合は重たくて投げ出したくなる気持ちも抑えられると思います。

ただし、装弾数が長物GBBとしては控えめな35発ということもあり、サバゲーで使うにはマガジンを多めに持っていかなくなる分、マガジンの軽さはメリットにつながりにくいと感じます。

空撃ちモード(仮)

なお、このマガジンには空撃ちモードなるものはなく、仕方がないので空撃ち時は結束バンドを短くカットしたものを挟み込むことで、ボルトストップがかからないように細工をしています。

ガスの燃費については、マガジン温度25度にしてセミオートで全弾撃ち切り、再装弾後に再度マガジンの表面温度を25度まで温めて直して撃つという計測方法で2マガジンと30発という結果になりました。

マガジン

1チャージでガスが約26g入るので、リキッドチャージ時のロスを無視すれば、マルイの400gガス缶でおよそ44マガジン分撃てる計算になります。

サバゲーでは個々のプレイスタイルによりますが、400gのガス缶1本用意しておけば1日中プレイしたとしてもガス欠になる事はないでしょう。

マルイらしいサバゲー向け性能

まとめ

東京マルイらしいサバゲーに特化した性能は特筆すべきもので、動作性、命中精度、集弾性、初速はGBBとしては非常に優秀な部類に入ると感じるものでした。

内部構造についてはマルイオリジナル構造のため、リアル派GBBユーザーにはお勧めできないものに仕上がっていますが、サバゲーに特化した性能とアフターサポート、マガジンを含めたパーツ供給を考えると安心して購入できる完成度に仕上がっています。