ハイドレーションシステムで強化
前回の水冷服改造では、保冷剤と熱交換用の銅管コイルを使用した強化策を実施してみましたが、思うような効果はあげられなかったため、サイズと重量にこだわらない強化案を実施してみることにしました。

今回の強化案の肝は「ハイドレーション」です。 
 
水冷服の強化については、結局のところ、個人的な技術力の限界から「氷」をいかに大量に用意できるかという結論に達してしまい、大量の氷を運搬できる容器を使う事にしました。

マイクロカプラー

幸い、前回の強化策を実施している際に水冷服のチューブは6mmということも分かり、手持ちのエアガンに使用しているマイクロカプラーが流用できることも判明。

合わせてボトルのフタについている接続コネクタについても、分解すれば流用できることが分りました。ポリタンクさえ用意すれば、コネクタ類を移植して氷タンクに変えることもできるのですが、意外なのものが最適なことに気がつきました。

それはハイドレーションシステムです。
ハイドレーションシステム

ハイドレーションとは登山やサイクリングなどで、移動している最中でもチューブを通じて、そのまま給水ができる便利なシステムです。 

過去にイベントに参加した際、給水目的で使用したプラティパス2が手元にあったのですが、これが思った以上に最適な容器でした。
プラティパス2の容量
まず、プラティパス2の容量ですが最大で2.5Lです。これにより、純正の氷ボトルの2.5倍もの氷を用意することができます(プラティパス2は仕様上2.5Lだが実は2.5L以上水が入る)。しかも、プラティパス2は冷凍対応容器です。

ペットボトルと互換性

次に、プラティパス2のフタはペットボトルと互換性があります。すなわち、接続コネクタ類の移植はペットボトルの蓋を加工してしまえば良いので、失敗しても何度でも加工に挑戦できます。


柔らかい

そして、プラティパス2は柔らかいため、氷が溶けて水に浮いた状態で動かしても、氷ボトルを使った時のようにガラガラと派手な音はでません。

チョロチョロ音がしない

さらに、内部の空気を抜いておけば、循環した水が落ちる時のチョロチョロとした音も防ぐことができます。

畳んで収納

最後に、使い切ったら畳んで収納できるというメリットがあります。これは、もはや水冷服の氷ボトルの代わりに最適以外の何でもないということで、プラティパス2を使い強化してみることにしてみました。

完成
仮組

まずは、氷ボトル用のフタからペットボトルの蓋に接続コネクタ類を移植する必要があります。

いきなりですが、完成した状態がこれです。ペットボトルの蓋を流用しているため、もちろん水を入れて凍らせたペットボトルを使うこともできます。

内部

補足としては、オレンジ側のコネクタは氷ボトルと同じように、内部からナットで締めて固定してあります。

上部

だたし、黄色側(給水側) はナットを締めようにもスペースが無いため、氷ボトルの黄色コネクタを接続した状態で、内側からチューブを出し圧入しています。

コネクタのタケノコ部分が若干太いため、圧入するとちょうど良く密閉できました(ペットボトルに開けた穴は両方共に直径5mm)。実際に使用すると、ポンプの脈動で僅かにここから水漏れをするので、圧入の際にシールテープを巻いて対策としています。

ウレタンチューブに交換

さらに、姿勢によってはチューブが折れて循環不良を起こすチューブを、固めの6mm外径4mm内径のウレタンチューブに交換。

6V駆動

そして、ダイヤフラムタイプのため音がうるさかったポンプユニットは、1本のダミー電池をかませ、ニッケル水素電池を使うことで3.6V駆動にして騒音を下げました。循環水の水量が減りますが、過度に冷えすぎないので3.6Vでも十分です(2.4Vでも動作するが、1.5Vではポンプはまったく動作しなかった)。

ちなみに、ポンプについて中身を開けて見てみたところ、DSA-2F-12-059というモデルのポンプが使われていました。調べてみると電装産業製の空気・流体用のダイヤフラムポンプで、仕様では12V駆動になっています。
※水冷ベストの仕様では流量が230ml/m。DSA-2F-12の流量は12Vで600ml/mのため、12V仕様のものをそのまま使っている可能性が高い。

水冷服を自作したいという人は約6千円と高価ですが、流量が小さく体が冷えすぎず、サイズも小さく小型化を狙えるのでポンプユニットにお勧めです。後はウレタンチューブ、マイクロカプラーと組み合わせれば材料はほぼ揃ったも同然ではないでしょうか。

運ぶためのバッグ

さて、少々脱線しましたがプラティパス2を氷ボトルの代わり実際に使うためには、運ぶためのバッグが必要です。ちょうど手元にあったバッグが最適だったので、弁当の保冷用につかう断熱バッグにプラティパス2を入れ、バッグの中に保管してみました。

合わせてポンプユニットは防音のためバスタオルに巻いてバッグに入れておきました。アルカリ電池の6V駆動だと、まるで水槽のエアポンプのごとき音がするのですが、3.6V駆動だとそれなりに音が静かになります。

この状態で、何処まで冷却できるかテストしてみましたが、約2.3L分の氷(氷の膨張と循環水を入れるための空間を開けたため満タンにしていない)の氷で約3時間半ほど冷却することができました。
※30度の屋内でテスト
※氷の温度や気温により持続時間は変化するため、あくまでも参考程度に

立てて凍らせる必要がある

だた、問題が無いわけでもなく、循環水を入れるための空間を最初に確保しないといけませんが、横にして凍らせるとキャップ部分まで氷が占拠してしまうため、使い始めに水で溶かして循環水用の空間を空ける必要があり、交換に時間がかかってしまいます。

これについては、天板がフタになっているタイプのフリーザーの導入を考えており、60Lの小型モデルでも5本は同時に起てたまま冷却できところまで調べています。 

当初の予定より重量とサイズは大きくなりましたが、連続稼動時間は3時間を超えるほど長くなり、問題点だった騒音や循環不良も改善できました。もう少し煮詰められる点があるので、再び実践投入の前に細部を詰めてみようと思います。