BV式ガスガンKG9

時は1980年代後半。サバイバールゲームの歴史に汚点として記録されている「極悪ハイパワー時代」に活躍していたBV式ガスガンなるものを手に入れてみました。

時代を感じさせるデザイン

今回手に入れたのはマルゼンの第3世代のKG-9です。カート式エアーコッキングの1世代目、エアーコッキング・ポンプアクション・セミオートのガスガンとなった2世代目、そして今回紹介する3世代目はBV式ガスガンです。

コッキングをロックするとセーフティがかかる

この3世代目のKG-9が発売された当時の様子を調べると、電動ガンをマルイが発売する前で、サバイバルゲームの主力はBV式ガスガンでした。

オープンしても中には何もない

BV式のガスガンは燃費が非常に悪く、リキッドチャージ式やパワーブースターを使ったものもありましたが、もっぱらパワーソースはエアータンクに詰め込んだ圧縮空気を使用していたようです。いわば外部ソース最盛期ともいえる時代です。

一見ガスブローバックに見えるが・・・

そして、当時は今のようなホップアップシステムが存在せず、飛距離を延ばす=初速を上げるという考えのため、初速チューンが当たり前の時代だったようで、BV式ガスガンは構造が非常に単純なこともあって、簡単に初速を上げることができたため、今の時代ではご法度の出力のものがフィールドで当たり前のように使われていた時代だったようです。

何もなくシンプルな作り

しかし、電動ガンとホップアップシステムの登場により、初速を上げる必要も無く飛距離が稼げるようになり、大きなタンクや付属機材の必要な外部ソースの銃はBV式ガスガンを含め、次第に敬遠されていったようです。

刻印2

「外部ソース=凶悪」という考となった背景は、このような初速を上げることが当たり前だったため、この図式が成り立ったものと思われます。

マルゼンはこの時代はまだASGKに加盟していた

中にはカスタムにより3J近くの運動エネルギーを叩き出すものもあったようで、近距離で被弾したくないほどの初速が出せたもの存在していたようです。(被弾した箇所の服が繊維ごと持っていかれて皮膚にめり込むらしい・・・ひぇぇ)

遵法精神!

実際にその構造を見てみると、圧力さえ上げれば簡単に初速があがる構造となっているため、リリースバルブやリミッターを装着しないと準空気銃扱いとなる可能性が非常に高いものが多いので、所有するにはしっかりと対策をしておかないといけません。

コネクタはマイクロカプラーとは互換性がない

私の環境ではエアータンクではなく、小型のエアコンプレッサーを使用した外部ソースシステムがありますが、もし直結して使用したら、間違いなく初速が規制値を超えていたはずです。

フリーダムアートのリリースバルブで初速を制御

幸い、このマルゼンのKG-9のカプラーはマイクロカプラーとは互換性が無く、ホースも私が持っていない径のため、リリーフバルブを通さないとエアコンプレッサーにつながらないため、0.5MPa以上の圧力はかかりません。

刻印

この状態で0.2gBB弾を使用して初速を計ってみたところ、最高0.9Jの運動エネルギーだったので銃刀法に違反するような初速は出ない環境となっています。

しかし、0.5MPaの圧力で0.9Jですから、直結してレギュレーターをひねればあっという間に準空気銃でしょう。BV式ガスガンはこのようなこともあるので、今の時代に所有するとなると弾速計とリリーブバルブやリミッター等の制御弁が必要です。もちろん初速を規制値内に収めるようにする法律遵守精神も同時に持ち合わせる必要があります。


このBV式ガスガンとはどのようなものか、構造は単純で名前のBV(Bullet Valve)のとおり、トリガーを引くとガスがラインに流れ込み、BB弾がバルブとなりガスラインを閉じて、それにより内部の圧力が上昇することでバレルユニットが前進し、ある一定の箇所まで前進したらBB弾を保持していたOリングが緩み、BB弾が発射されバレルユニットが後退、同時に次弾を装填するという仕組みです。

文章にしてもわかりにくいので、参考になるサイトでご覧いただくと分かりやすいと思います。現在もBV式のガスガンをこよなく愛して止まないBV工房さんのサイトが非常分かりやすく構造を解説していますので、そちらで構造含めBV式ガスガンの詳しい話はついてはどうぞ。

最初、この仕組みを全く理解していなかったため、トリガーを引いても圧縮空気が銃口から漏れ出てくるだけで、まったく動作せず不良品かと思いました。しかし仕組みを知ればBB弾を装填しないと稼働しないシステムだということが分かります。

結果、この構造によりどうなるのかというと・・・


メリットとして

ハイサイクル

稼働する部品が軽く、また移動距離も1cmあるかないかという構造のため、発射サイクルが高速化し易くハイサイクルなフルオートが楽しめます。

手持ちの弾速計X3200で計測したところ、最高で30サイクル/秒を記録しました。全く手を付けていない状態でこれです。

BV式ガスガンは、ガスタンクがマガジン内に無いため装弾数が多いのですが、ハイサイクルなのであっという間にマガジンが空になってしまいます。

サプレッサーとの相性

ガスブローバックのように可動する部分が少なく、電動ガンのようにピストンもモーターも存在しないため、発砲音しか発する音が無く、サプレッサーとの相性は抜群のようです。

高い耐久性

簡単な構造というものは壊れにくく、その耐久性は身をもって体感しています。今回購入したKG-9は新品の在庫品で、20年以上もメンテナンスもせずに保管されていたものです。しかし、箱から出してそのまま撃ってみると何事もなかったように発射しました。

現役で使用している人もいるぐらいですから、耐久性はお墨付きといってもいいでしょう。

メンテナンス性

メンテナンスをする必要がある場所がチャンバー近くとエアラインぐらいなのですが、分解整備する必要もなく、エアツールのごとく使用前にシリコンスプレーをシュッと一吹きすればメンテナンスは終わりです。


装弾数(リキッドチャージ式のガスガンと比較して)

電動ガンと比較した場合はあまり大差はないのですが、リキッドチャージ式のガスガンと比較した場合、ガスを溜めるタンクが必要ないのでマガジンの装弾数は多めです。

KG9ではマガジン内で渦を巻く構造になっているため、装弾数は80発となっています。多めに感じますがハイサイクルなので、トリガーを引けば約3秒で空にしてしまいます。


デメリットとして

外部ソース必須

BV式ガスガンは燃費が非常に悪いので、リキッドチャージ式はほとんど使い物にならないようです。そのため外部ソース前提の物が多く、ほとんどがエアホースやコネクターを本体に装備しています。

しかも外部ソースといっても、ガスブースターどころか、季節によってはグリーンガスですらフルオートに耐えられないという代物で。外部ソースはもっぱらエアータンクが好まれて使用されています。

リミッターやリリーフバルブ必須

銃刀法改正により、BV式ガスガンは非常に所持が難しいものとなってしまいました。外部ソース必須の物が多いBV式ガスガンは、エアーの調整次第で銃刀法に違反する初速を出すようなものが多く、その所持にはリミッターやリリーフバルブといった制御弁を使い、初速が銃刀法に違反しないように制御しなければいけません。

当然、私のKG-9もリリーフバルブを組み込み、初速の問題をクリアして使用しています。

燃費が悪い

構造を理解すると分かるのですが、BB弾がバルブ(栓)の役目をするということは、BB弾が発射された後、次弾が装弾されるまでエアーが銃口から漏れ放題となってしまいます。

結果、燃費は最悪で、CP-100ですらたったの2マガジンしか撃つことができませんでした。BV式ガスガンを使用していた人がサバゲーで大きなエアータンクを背負っていたというのを聞きますが、それほどエアーが必要だということが身をもって実感できたところです。

フィールドでの使用許可

外部ソースはBV式ガスガンによりハイパワーなイメージが定着しているため、よく思っていない人が多いのも事実です。また、エアーの調整次第で初速を上げることができるため、他人からしてみれば、本当に初速が銃刀法に違反していないものなのか分かりにくいこともありますし、疑心暗鬼にもなりがちです。

これらのことを考慮して、外部ソースのエアーガンを許可しているフィールドはそれほどありません。

ブローバックのようなリコイルショックはない

元よりピストンも無い構造で、バレルユニットが動くといっても1cm程度で軽いためリコイルショックはありません。

固定式ガスガンや電動ガンのようにトリガーを引くと弾が出てくるという感覚で、ガスブローバックのようなリコイルショックを求めるものではありません。

撃っている感覚としては、空気で動く電動ガンのような物といったら分かりやすいかもしれません。ガスブローバック派の人間には味気なく感じます。

短い飛距離

ホップアップが存在しない時代の製品のため初速が高い割には飛距離は短めです。水平に構えて発射した場合、水平に弾丸が飛ぶのが約18mぐらいです。それ以後は急激にBB弾が下降していきいます。

この度購入したマルゼンのガスブローバックハンドガン「ワルサーPPK/S」でも軽く30mは水平に飛ぶのにもかかわらず、倍近くの初速があるKG-9でこれですから、ホップアップの効果というのは当時革命的だったことでしょう。

結果、飛距離を伸ばすためにパワーを上げるしかなかったため、結果ハイパワー至上主義の極悪ハイパワーへと突入したことがよく分かります。

と、BV式ガスガンはこのような特徴となっています。

無骨さが魅力的

で、なんでこんな骨董品を今更買ったかというと・・・ブローバックと間違えて買ってしまった!!という酷い落ちでした。

このマルゼンBV式ガスガンKG-9は数が市場に出ていたため、程度の良いものから低いものまでオークションで見かけます。

購入時は本体との接続に使用する専用コネクタが付いたものを手に入れないと外部ソースに繋ぐことができないので要注意です。
6mmホースを直結しスプリングで抜け止めを施せばホース直結も可能なようです。情報ありがとうございました。
※もちろん途中にリリーフバルブ等を入れるなり初速制限対策を忘れずに!

BV式ガスガンを探してみる
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