見た感じがすでに普通のリボルバー拳銃とは違うマルシンのMATEBA M-2007を買ってみました。
この銃の面白さはまずその形です。通常のリボルバー拳銃はバレルが上に付いていますが、このMATEBA M-2007は下に付いています。その上には分厚いフレームがありウエイトの役目をしています。
これにより発射時の反動を上方向ではなく射手に向けて伝えるようになっています。すなわち反動で腕が上がるのを抑え精密な射撃をサポートする仕組みになっています。
代わりにその分の反動が腕に来て射撃時の衝撃が激しいうえ、バレルが下にあるぶんアイアンサイトとのズレが大きいというデメリットもあるようです。
これらの仕組みのため変な形をしているのですが、さらにMATEBA M-2007は使用弾薬が9mmパラベラムという変態仕様になっています。
普通はリボルバー用にオートマチックの弾薬は使いません、何故ならリムが出っ張ってないので弾薬を込めたらそのまますり抜けて落ちるためです。
ごく一部にリボルバーでもオートマチックの弾薬を使う物があるようですが、リム前の凹みにクリップを付けて留めるという手法(ムーンクリップ)を使っているようです。しかし実用性からいえば?マークが付くレベルです。
では何故9mmパラベラムを使うのかというと、この銃の元ネタによるものです。
そもそもこの銃は架空の銃で、ベースは実在するMATEBA 2006Mというリボルバー拳銃です。見た目はそっくりですが仕様弾薬は.357マグナム弾とリボルバー用のリムド弾薬を使用しています。
そしてGHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊(1995年の劇場版、その後のアニメ版でもUnica6と共に登場。原作ではオートマチックを使用)というアニメにて、そのMATEBA 2006Mを元に作られたMATEBA M-2007が登場するのですが、そのアニメでは人間が擬態化(サイボーグ化)することが当たり前の世界のため、貫通力を重視して9mm弾(9mmパラベラムとは発言していない。ムーンクリップなども使わずに弾薬を1つづつ弾倉に入れていた)を採用したということになっています。
貫通力ならのFive-seveNやH&K P46を使った方が現実味があると思うのですが、理屈はどうあれAUGやP90と同じく見た目が映えるからというのが採用の理由ではないでしょうか。また、劇中の使用者であるトグサはマテバに対するこだわりを感じますが、それは制作者のこだわりでもあるとかんじることもできます。
※「ツーマンセルで二丁下げててもジャムが怖い?」とか「お前のマテバに期待しちゃいねえよ」とかいわれても頑なにMATEBA M-2007を使い続けた。後にオートマチックへ鞍替えしたが、その際もマテバへのこだわりは捨てていないと発言するなどマテバに対する愛を感じる。
しかし困ったことがあります、まず9mmパラベラムを摸したカートが迫力がない・・・確かに9mmパラベラムの空薬莢に近い形でリアルではありますが、そもそも.357マグナム弾のための弾倉は長すぎて似合っていません。マルシンには迫力ある薬莢のXカートシリーズがありますが、あれを見てしまうとやはりもの足りません。
できればMATEBA M-2007ではなく.357マグナム弾を使うMATEBA 2006Mで出してもらいたかったところです。
マルシンのMATEBA M-2007では8mmBB弾を使用します。カートには1発ずつ弾を押し込めて弾倉に装填するのですが、動画でも紹介しているタブレットやスマートフォンに使うタッチペンを使うと素早くBB弾をカートに押し込むことができます。
実際に射撃してみたところ8mmBBのせいか弾道は不安定で毎回撃つ度に弾道が変わるという酷い精度です。射撃競技やフィールドで使うには装弾数と相まって性能不足としかいいようがありません。
しかし8mmBB弾は質量があるため的にヒットしたときの着弾音は重く、段ボールを撃ったときはバスンッ!!といい音が響き渡ります。これは6mmBB弾には無いものです。ただしBB弾のコストは6mmのものよりも高いので気兼ねなくトリガーを引くことができなかったりします。
もともと弄ったり飾ったりするための用途で買ったので、今回はプラスチックグリップの組み立てモデルではなく木製グリップのHWモデルにしました。が、しかし中古品のためか途中で調子がおかしくなり調整中に破損・・・シングルアクションのMATEBA M-2007ができあがりました。
結局新品の組み立てキットを購入して木製グリップに付け替えたため、木製グリップタイプと組み立て版のプラスチックグリップモデルの両方を持つ羽目になってしまいました。しかしこうやって比べてみるとプラスチックグリップはありえないです。やっぱり木製グリップが最高ですよ、重量感もあるので持って触るだけでもたまりません。
現在マルシン MATEBA M-2007は流通量少なく店舗在庫がほとんど無いようです、特に木製グリップを手に入れるには気長に中古で探すしかないでしょう。
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